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韓国検察総長、チョ・グク任命前に大統領府に対し「疑惑深刻…任命されれば辞表」

登録:2019-09-30 21:09 修正:2019-10-01 07:18
任命の3日前、民情首席に電話「疑惑深刻…大統領に必ず報告してほしい」 
文大統領、人事権への挑戦と認識…任命放棄すれば検察改革は不可能と判断 
検察「ユン総長はそのような位置でなく、事実でない…政界の謀略」と否定
グラフィック//ハンギョレ新聞社

 ユン・ソクヨル検察総長が、チョ・グク長官の任命直前に大統領府に「問題が容易でないので(チョ候補者を)任命してはならない。任命すれば自分が辞表を出す」という趣旨の意思を伝達していたことが確認された。当時、チョ候補者の任命をめぐり苦慮していた文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、これを抗命と受けとめ、チョ長官を任命する側に傾いたという。検察側は「(捜査を揺さぶろうとする)政界の謀略」として強く否定した。

 30日、ハンギョレが複数の与党要人に確認した結果、ユン総長は文大統領が5泊6日の東南アジア3カ国歴訪を終えて帰国した直後の7日、キム・チョウォン大統領府民情首席秘書官に連絡したという。彼はキム首席秘書官に対し「チョ候補者の関連疑惑が深刻だ。種々の経路で大統領府に意を伝えたが、大統領に報告されていないようだ。必ず報告してほしい。チョ長官を任命すれば私が辞退する他はない」と話したという。

 文大統領はキム首席秘書官からユン総長のメッセージを伝え聞いて怒ったという。当時の事情に明るい与党の与党圏の高位要人は、「文大統領はユン総長の話を大統領の人事権に対する挑戦と受けとめた。総長の話のために任命をあきらめれば、検察改革はできないというのが文大統領の考えだった」と話した。大統領府関係者も「当時、大統領府内部は辞退の側の意見が大きくなる流れだったが、大統領の帰国直後のユン総長の電話のためにチョ長官を任命する側に傾いた」として「直前にカン・ギジョン政務首席秘書官が検察の被疑事実公表を強く批判したが、ユン総長はキム・チョウォン首席秘書官に(カン首席秘書官に対する)不満を激しく表現した。そのために総長と首席秘書官の間が歪みもした」と話した。

 これに先立ってユン総長は、チョ長官疑惑捜査に着手する前にも同様な憂慮を文大統領に伝えようとしたことが分かった。ある与党関係者は「ユン総長が(捜査着手を知らせる)家宅捜索前に、チョ長官の家族に関連した疑惑が軽くないということを文大統領に直接知らせるため、与党要人と法務部を通して種々の経路で動いた。法務部長官として来れば、捜査を避けることは困難で、その場合には波紋が大きくなりうるという趣旨だった」と話した。家宅捜索の直後には、法務部側に「問題が多く、任命すれば(捜査をすることになるので)自分がとうてい席を維持できない」という意見も伝えたという。

 検察は、このような過程を強く否定した。検察の高位関係者はハンギョレとの通話で「ユン総長が民情首席に連絡したというのは、まったく事実でない。部下が任命権者に対して誰を任命しろとかするなとか言うというのは話にならない。ユン総長は(そのような連絡をする程)キム・チョウォン首席秘書官をよく知りもしない」と反論した。さらに「ユン総長は、家宅捜索の前後にも、任命の前後にも、大統領府民情首席にも法務部にもチョ長官と関連したいかなる話もしていない。大統領に『だめです』と報告するには、疑惑ではなく確実な何かがなければならないが、そのような状況ではなかった」と強調した。

 一方、共に民主党のパク・ホングン議員はこの日、国会で開かれた対政府質問で李洛淵(イ・ナギョン)首相に対し「チョ・グク長官が任命される前日、(ユン総長が)『チョ・グクを任命すれば本人は辞退する』と大統領府に話したと私は聞いたことがある。首相は聞いたことがあるか」と尋ね、李首相は「確認するのは難しいということを理解されるよう願う」と答えた。これに対しパク議員は「(ユン総長の)発言が事実なら、大統領の人事権に対して検察総長が明確に挑戦したことになるという憂慮を抱く」と指摘した。

キム・ウォンチョル、イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/911508.html韓国語原文入力:2019-09-30 19:17
訳J.S

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