19日(現地時間)、米政府が大韓民国を予備違法(IUU・Illegal Unreported Unregulated:違法・無報告・無規制)の漁業国に指定した。
米商務省傘下の海洋大気庁(NOAA)は、議会に提出する今年の「国際漁業管理改善報告書」に、韓国を「予備違法漁業国」に指定する内容が盛り込まれていると、同日ホームページを通じて明らかにした。韓国が予備違法漁業国に指定されたのは2013年以来2回目だ。
韓国の予備違法漁業国指定は、韓国の遠洋船舶の違法操業と不正利益の還収制度が整っていないためだ。2017年12月初めに韓国遠洋船舶2隻が南極水域漁場閉鎖通告(2017年12月1日)にもかかわらず、2~3日間にわたり操業し、南極の海洋生物資源の保存に関する委員会の保存措置を違反したのが原因だった。同委員会は南極海の生物資源保存などのため、1982年に設立された国際機関で、メロやオキアミ、ワカサギに関する総許容漁獲量を25カ国の加盟国に配分する役割を果たす。韓国は1985年に加盟した。
問題が浮上すると、韓国海洋水産部(海洋部)は直ちにこれらの船舶に対して漁具の回収や漁場の撤収を指示し、違法漁業容疑で海洋警察に捜査を依頼した。海洋警察はこれらの船舶のうち一隻の「ホンジン710号」について、漁場閉鎖の通告メールを受け取れなかったという理由で嫌疑なしで処分し、通告メールを閲覧したにもかかわらず操業した「サザンオーシャン号」は検察に送致した。検察が昨年12月に起訴猶予処分して、事件は終結した。
米国はこの過程を問題視した。韓国の関連規定が刑事処罰中心であるため、違法操業による利益がまともに還収されないということだ。韓国海洋水産部も行政罰の課徴金制の導入の必要性を認識し、関連法(遠洋産業発展法改正案)を今年4月に議員立法の形で発議しており、今年7月に国会に上程されている。海水部は先月22日、韓米間の高官級協議で米国が法の可決直後に韓国に対する予備違法漁業国指定を解除することで合意したと説明した。海水部の説明によると、直ちに韓国に実質的な被害はない見通しだ。韓国漁船の米国港湾入港拒否や水産物の輸出などに及ぼす市場制裁がないためだが、米政府の次の報告書の発行される2年後にも法が改正されないなど改善措置がなければ、制裁が実行される。