大統領府が世宗市(セジョンシ)に大統領第2執務室を設置しないことにした。これは、国家のバランス発展のために最近共に民主党が国会分院の設置を強力に推進していることや、来年の総選挙で第2次公共機関の移転を活発に検討している流れに反するものだ。民主党は、大統領第2執務室の設置は政府与党間で協議が必要だと述べた。
最近、大統領府のある高位関係者はハンギョレの電話取材に対し「世宗市に大統領第2執務室を設置しないと内部で結論が出た。大統領は、世宗市に行けば既存の施設を使えばいいし、新しい施設をあえて作る必要はないと考えている」と述べた。同関係者は「当初、大統領は光化門(クァンファムン)第2執務室に行こうとしていたが、それがうまくいかなかった。現政権で(世宗執務室を)推進しても、使えるのは次期政権から」と付け加えた。そもそも大統領第2執務室の設置は今年1月に世宗市のイ・チュニ市長が提案し、その後大統領府で検討してきた。
これに関連し、世宗市に新庁舎建設を進める行政安全部も大統領第2執務室は新庁舎に含まれていないと述べた。行安部のファン・スンジン政府庁舎企画課長は「第2執務室の移転の可能性は念頭に置いているが、現在のところ設計に反映していない。建物を建てた後からでも第2執務室の設置が決定されれば、セキュリティ施設を設置して執務室を設けることができる」と語った。現在、行安部は、政府世宗庁舎の中心に新庁舎建設を推進中であり、大統領府で第2執務室の設置を決定すれば、設計に反映する予定だった。
世宗市への大統領第2執務室設置の中止は、国会分院の設置や第2次公共機関移転などを推進中の民主党の政策方向と矛盾する。国会世宗議事堂推進特別委員会(世宗国会特委)のパク・ビョンソク共同委員長は「現在、世宗国会の設置が推進中であるため、大統領第2執務室も一緒に設置することが望ましい。大統領第2執務室設置の是非は、政府与党間協議が必要だ」と述べた。第2執務室の設置を建議した世宗市のイ・チュニ市長は「まだ公式の発表がないので何とも言いがたい」と述べた。
これに先立ち、8月に国会事務処が世宗市国会分院設置案の研究結果を発表すると、民主党は世宗国会特委を組織し、今月5日に初会議を開いた。この会議で特別委員会は、世宗市国会に11の常任委員会と予算決算委員会、予算政策処、立法調査処などを移転し、国会の立地は国会事務処の研究で提案された地(B候補地)とする案を決定した。
世宗国会特委のパク・ビョンソク共同委員長は、「現在、立法府が行政府と離れているために生じる非効率が深刻になっている。行政府の70%近くが世宗市にあるのだから、国会が世宗市に行くのは当然だ」とし、「野党も大きく反対する理由がないので、議論を通じて合意案を引き出してみせる。与野党が合意できなければ、総選挙で提示し、主権者の審判を受ける」と述べた。
民主党は来年の総選挙の公約として122の公共機関の第2次地方移転も活発に検討中だ。これと関連して国土交通部の革新都市発展推進団は今年5月、国土研究院に「革新都市の成果に対する評価および政策支援」と題する研究を委託した。早ければ今年末にも結果が出る。民主党のイ・イニョン院内代表は、「公約を採択するかどうかは、研究結果を見て判断する。総選挙の公約に関しては党代表に主導権があり、党内でも引き続き話が出ている。前向きに検討している」と述べた。