南北スポーツ交流協力の拠点として活用する民間レベルの南北スポーツ交流センターの建設が、南北で同時に進められる。
南北体育交流協会は4日、南北スポーツ選手たちの各種試合やトレーニング、選手の育成に使われる「南北スポーツ交流総合センター」の建設を南北同時に推進すると発表した。同団体は昨年、陸路を通じた南北選手団の相互訪問を含め、22回にわたり南北ユースサッカーの定期交流戦を進めてきた。
南北体育交流協会は同日午前、京畿道高陽市(コヤンシ)のワンマウントで、「南北スポーツ交流総合センター推進委員会」の発足式を開き、センターの鳥瞰図や事業計画、事業費の調達案などを発表した。南北スポーツ交流総合センターには、室内多目的体育館や屋外総合競技場、スポーツベンチャー創業ダウンタウン、スポーツ史博物館、宿泊・便宜施設、ゴルフ場(9ホール)などが入る計画だ。スポーツセンターの敷地は48万6190平方メートルであり、予想事業費は2400億ウォン(約211億円)だ。センターの建設が終われば、初事業として、北側の4・25体育団女子プロサッカー選手団の韓国女子プロサッカーリーグへの参加を本格的に推進する方針だ。
同協会は首都圏の地方自治体を対象に公募を行い、今年中に敷地を確保する計画だ。また、統一部や文化体育観光部などと協議し、南北協力基金、国民体育振興基金などから事業費の一部を支援してもらう方針だ。
同協会は、政府の基金支援の根拠として、南北協力基金法と国民体育振興法の基金使用用途規定を取り上げた。南北協力基金運用管理規程第4条は、「文化・学術・体育分野の協力事業に要する資金を支援できるよう」定めている。
同協会はまた、2001年に完工された大韓サッカー協会の京畿道坡州(パジュ)のサッカー韓国代表トレーニングセンターの建設当時、政府が工事費を支援した事例も挙げた。文化体育観光部や国民体育振興公団、オリンピック組織委員会は当時、総工事費130億ウォン(約11億4千万円)のうち、大韓サッカー協会が調達した31億ウォン(約2億7千万円)を除いた残りの金額を支援した。
南北体育交流協会は南側のスポーツ交流総合センターとともに、北側から50年間無償提供された平壌(ピョンヤン)市内の35万平方メートル規模の敷地にゴルフ場(27ホール)を含めた「平壌総合スポーツセンター」(仮称)を建設し、北側と共同運営する計画だ。
同協会は2004年から中国の昆明市でホンタスポーツセンターを運営し、南北サッカーやマラソン、アーチェリー、卓球、射撃など、北朝鮮選手団のトレーニングを支援してきた。15年間で約5000人の南北選手らが同スポーツセンターを通じて交流を行ってきた。北朝鮮はホンタスポーツセンターで体系的トレーニングを受けたおかげで、2006年にはU-20女子ワールドカップ、2008年には U-17女子ワールドカップで相次いで優勝する成果を上げた。同協会は体育の発展に貢献した功労で、北朝鮮からスポーツセンターの敷地を無償で提供された。
キム・ギョンソン南北体育交流協会理事長は、「南北ユースサッカー交流戦を通じて、陸路で互いに往来する枠組みが作られた。平壌に総合スポーツセンターを建設すれば韓国選手が利用できるが、北朝鮮選手は南側にトレーニング施設が整っていないため、南北に総合スポーツセンターの建設を同時推進することになった」と説明した。彼は「民間レベルのスポーツ交流センターが建設されれば、南北関係の浮き沈みと関係なく、スポーツ交流が活性化され、南北のスポーツのバランス発展とスポーツを通じた統合に貢献できるだろう」としたうえで、「北朝鮮が先に10万坪のスポーツセンターの敷地を提供したから、今度は韓国側が答える番」だと述べた。
一方、同日発表された南北スポーツ交流総合センター推進委員には、キム・ジェヨプ(柔道)やハン・ミョンウ(レスリング)、ヤン・ジュンヒョク(野球)、ビョン・ジョンイル(ボクシング元世界チャンピオン)ら韓国の国家代表出身のスポーツ選手が多く含まれ、注目を集めた。