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「不買運動を越えて、韓日関係をちゃんと知ることが大事」

登録:2019-07-25 10:37 修正:2019-07-25 12:09
育児ブロガーのシン・スンファさん家族の「日本の勉強」 
 
ろうそく広場に立った気持ちで 
一緒に韓日関係を勉強しながら 
家族会議を開き「私たちも不買運動」 
 
「日本製品を使わなければ良くなるの?」 
子どもたちも母親ももどかしく、知りたい思い 
「すぐに正解は出ないが、 
知っていく過程そのものが大切」
育児パワーブロガーのシン・スンファさんが、日本の輸出規制の発表後、新聞に報道されたある韓日関係の記事を一緒に読みながら二人の子どもと話を交わしている=シン・スンファ氏提供//ハンギョレ新聞社

 「4・16セウォル号惨事の真相究明を求める時も、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾政局の時にも、ろうそく広場に立ちました。今回は子どもたちと韓日関係について話をして、日本製品の不買運動に参加しています」

 17歳、13歳、10歳の三人の子どもを育てる「育児パワーブロガー」のシン・スンファさんの言葉だ。最近の重要な歴史的時事ごとに「行動する市民」の姿を見せてきた市民らの中に、シンさんのように日本の経済報復措置以後に子どもたちと韓日の歴史を学び、両国の関係を考える人々がいる。弾劾政局で子どもたちと考えを分かち合い、一緒にろうそく集会に出たシンさんは、日本の輸出規制に関する主要な発表が出ると新聞でニュースを探し、子どもたちといっしょに読んで目線を合わせて話を交わす。

 シンさんは3人の子どもを生んで10年間続けた仕事をやめたが、子どもたちを育てる話をインターネットのブログに載せ、世の中と交感した。それらをまとめて「怖がらずママになる」「花と草、月と星、みんなあなたのもの」という育児書を書いた。シンさんは子どもたちが幼い時から世間ではどんなことが起きているのか、私達の生活にどんな関連があるのか、子どもたちと意見を交わすべきだと考える。まず子どもたちに今回の事態の脈絡を説明することから対話を始めた。

 「今回の日本の輸出規制は、強制徴用者たちに対する韓国の最高裁(大法院)の判決を認めない日本が経済的に報復したんだ。安倍政権は憲法を改正してでも『戦争できる日本』になろうとしている。日本の右翼は韓国を『共通の敵』にして国内政治に活用しているんだ。こういう行動が平和を脅かすから韓国国民は日本に抗議するために不買運動を始めたんだよ」

 子どもたちはそれぞれ受け止め方が違った。小学校6年生のユンジョンと3年生のイルミは、なじみの衣類ブランド「ユニクロ」不買ニュースや「NONOジャパン」のような運動に高い関心を示した。ユニクロの日本本社の役員が韓国の不買運動について「長くは続かないだろう」と発言すると、子どもたちは「確実に不買運動をしなければ」と乗り出した。韓日関係の勉強を家族で一緒にしたので、不買運動も家族会議で決めることにした。衣類、洗剤など思ったよりも生活の隅々に浸透した日本企業の製品が多かったが、満場一致で使わないことにした。

 高校1年生のピルギュは「日本の右翼はいまでも韓国の支配国だという見解を持っている」と憤慨した。その考えには、ろうそく集会の経験が大きな影響を及ぼした。ピルギュはろうそく広場の経験をもとに、今回の不買運動が以前とは違うだろうと予測する。

 「最近、大型スーパーで売上が落ちた日本のビールの割引イベントをしていたが、多くの人たちが抗議したというニュースを見ました。昔だったら『やった、得した!』と言っていた人々がかなり多かったはずなのに、今度はそうではないでしょう。ろうそく革命を経験して成熟した市民意識が以前と違う行動にしているようです。私と同じ年頃の子どもたちもインターネットを通じてニュースに直に接して、自分の意見を言える通路も多いから。日本が戦犯国家であることを認めて反省しなければ、絶対にリーダー国家になれないというぐらいはわかります」

 問題の根源を探していると、参議院選挙など日本関連のニュースにも関心を持つようになった。シンさんは「輸出規制が長期化すれば不買運動も下火になりうるが、韓日関係をきちんと理解して根本的な対策は何かを知ることが最も重要だ」と話した。それで勉強の力を信じる。シンさんは「韓日関連の本を探すようになり、隣人や子どもたちともっとよく話を交わすようになる」と話した。問題が持続しているだけに、答えを探すのも現在形だ。

 「子どもたちが、(日本製品を)使わず、食べなければ良くなるのかとしきりに訊きます。不買運動を越えてできることは何だろうか、もどかしいし、知りたいとも思います。すぐに正解は出ないけれど市民の一人としてこのように知っていき、勉強して分ちあう過程そのものが大事だと思います」

ヤン・ソナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/903250.html韓国語原文入力:2019-07-25 07:28
訳M.C

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