日本が韓国に対して半導体の材料・部品の輸出規制に乗り出し、韓国の戦略物資輸出統制問題を提起したが、核・ミサイル開発などに使われる品目や制裁対象品目が日本から北朝鮮に輸出された事例が相次いで確認されている。
国連対北朝鮮制裁委員会の専門家パネルは、この数年間、制裁対象か軍事用に転用される可能性のある品目が日本から北朝鮮に輸出された事例を年例報告書を通じて指摘してきた。北朝鮮の「労働新聞」は2015年2月7日付で、軍艦に搭載された対艦ミサイル発射実験写真を公開したが、専門家パネルは同写真に出ている軍艦のレーダーが日本企業の製品だと特定した。
北朝鮮が2017年8・9月、日本上空を横切る形で打ち上げた火星-12中長距離弾道ミサイル(IRBM)を発射台に移すのに使用されたクレーンも、日本で製作されたことが確認されたと、国連専門家パネルの報告書は明らかにした。当該日本企業は、同クレーンを1992年に北朝鮮に輸出したと認めた。同クレーンは2016年から対北朝鮮制裁品目になった。この他にも、パネルは2014年3月、白ニョン島(ペクニョンド)に墜落した北朝鮮の無人機カメラとRC受信機が日本製品だと指摘した。日本政府の調査でも、核開発関連品目が北朝鮮に輸出された事例が確認された。民主社会のための弁護士会(民弁)の通商専門家であるソン・ギホ弁護士が13日に公開した日本経済産業省の2008年8月の資料によると、東京真空が生産した油拡散ポンプと油回転ポンプが北朝鮮に再輸出され、北朝鮮の核施設で使用された。放射性同位元素の分離に使われるこれらの製品は、台湾を経由して北朝鮮に搬入されたが、株式会社ナガノはこれらの製品が北朝鮮に再輸出される恐れがあり、核開発のために使用される可能性があることを知りながらも、これらの製品を輸出したことが明らかになった。同製品は2007年、国際原子力機関(IAEA)が寧辺(ヨンビョン)の核施設を査察する過程で発見され、日本政府は調査を通じて自国の企業が関わった事実を確認したが、当該企業に“警告”しただけで、起訴もしなかった。
ソン・ギホ弁護士は「日本は戦略物資統制など、安保を理由に韓国に対する輸出規制を行ったが、韓国だけを安保優遇措置の対象から外すべき正当な根拠があるかどうかが主な争点」だとし、「根拠もなく韓国だけに輸出規制を実施したのは、すべての貿易規定を『一貫して公平かつ合理的に』運営するように規定した世界貿易機関(WTO)の規範に反しており、日本企業も長期的には受け入れることが難しいだろう」と指摘した。