韓国政府は世界貿易機関(WTO)で、根拠が不明確で政治的動機で行われた日本の輸出規制措置の撤回を求めた。韓国政府が日本の貿易報復に対して国際社会で初めて公式化した問題提起だ。
外交部や産業通商資源部は8~9日(現地時間)にスイスのジュネーブで開かれた世界貿易機関の物品貿易理事会に出席し、日本の輸出規制の不当性について国際社会に説明したと明らかにした。日本政府は今月1日、フッ化水素など3品目に対して、韓国への輸出統制の手続きを強化し、4日から施行している。ペク・ジア駐ジュネーブ大韓民国代表部大使の発言は韓国時間で10日未明に行われた。
ペク大使は、戦略物資の輸出統制手続きを強化する形で行われた日本の輸出規制は、WTOの協定上「根拠のない措置」だという点を強調した。また、先月28~29日に開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議で、日本が議長国として「自由で公正、無差別的で透明、予見可能で安定した」貿易環境の重要性を主張して二日後に、自分の主張に反する輸出規制を発表した点も強く批判した。日本の輸出規制は韓国企業の半導体・ディスプレイ生産の低下につながり、グローバルサプライチェーンが大きく撹乱し、世界貿易に否定的な効果をもたらすという点も強調された。
WTOの物品貿易理事会には一般的に事前協議の議題が提出されるが、緊急事案がある場合は案件が追加されることもある。政府は8日、理事会の開会と同時に、日本の輸出規制問題を追加議題に緊急上程しなければならないと議長に要請し、議題化することに成功した。政府は日本側の妨害がある可能性を考慮し、事前の案件ではなく、緊急案件として提起する方法を選んだという。政府は今年23~24日に開かれるWTOの一般理事会でも日本への糾弾発言を続けていく可能性が高い。政府は、日本の経済報復措置に対する物理的な対抗よりも、国際社会に世論を喚起する方法で日本政府に圧力をかける戦略をまず選択したものと見られる。日本の不当な行為を国際社会に公論化し、日本の態度変化を引き出すということだ。