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司法府 過去史 整理作業‘ごたごた’

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/383893.html

原文入力:2009-10-26午前07:03:14
‘裁判所60年史’発刊時期 1年近く 遅遅不進
一部“自虐史観”反発で事件の羅列に終わる憂慮

キム・ナムイル記者

司法府に時ならぬ‘自虐史観’論議がおきている。過去の時局事件裁判に対する評価を入れることになる<裁判所60年史>を巡ってのことだ。

大法院は昨年9月、司法60周年を迎え<歴史の中の我が司法府>(仮称)をこの年末までに発刊すると明らかにした。イ・ヨンフン大法院長は当時、記念演説で誤った過去史に対し謝り「権威主義時代の各種時局事件の判決文を分析し、裁判所60年史に含ませる」と話した。大法院は「1948年以後、歴史を客観的・中立的に眺望する」という叙述方針もたてた。だが、それから1年が過ぎようとしているが発刊作業には決着がついていない。

大法院関係者は25日「今年中の発刊を目標に拍車を加えている。遅れているのは内容に慎重を期しているという側面もある」と話した。

‘慎重’な作業がなされる部分は主に1970~80年代の時局事件だと知らされた。全体の3分の1に該当するが、司法府屈辱史の頂点を形成する時期だ。ある実務関係者は「草稿は去る2月末に作成されたが、色々な人が分けて書いて見たら、ある事件には過度に多い分量が当てられるるかと思えば、論難となった事件が最初から除外されていたりもして全体的に整理が必要だ」とし「一人一人の主観的歴史観が入ったり重複した内容を選り分け調整している」と話した。

裁判所内外では一部構成員らが‘60年史の内容が行き過ぎた自虐史観を含んでいる’として反発しているためだとの分析が出てきている。ある裁判所関係者は「一部の内容が司法府の歴史を過度に低く評価しているという、自虐史観という主張もある」と話した。法院行政処長として60年史発刊を総括したキム・ヨンダム前最高裁判事は去る9月の退任に合わせ出した自叙伝で「責任を負わなければならない人々が皆去った時点」としつつ「誤りに対する責任追及ではなく他の目的を達成するためのものならば、それは司法侵害に過ぎず過去の問題ではない」と主張もした。

こういう気流により問題になっている裁判の積極的評価を期待することは難しいものと見られる。関連事件の再審を進行中だとか、引き受けることになる裁判所に影響を与えかねないという‘原則的考慮’もあるが、こういう裁判に参加した一部の人々が現職にいるためだとの指摘も出ている。

これは結局、6年の任期中2年余りを残していたイ大法院長が就任一声で念を押した過去史反省作業がますます動力を失っているという観測につながる。保守政権の登場がイ大法院長の‘千鳥足の歩み’に影響を及ぼしたという分析もある。

大法院関係者は「冊子が出れば、片方では(過去史反省の)強度が弱い、他方では過度に強いと言って騒々しいようだ」と話した。

キム・ナムイル記者namfic@hani.co.kr

原文: 訳J.S