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非武装化された共同警備区域、南側の観光は4月末~5月初めに開始

登録:2019-04-19 22:28 修正:2019-04-20 07:16
南北首脳が一緒に植えた“松”はもちろん 
倍席者なしで歩き対話を交わした“徒歩橋”も見学可能 
「武装で対立してきた南・北・国連司令部から軍人消える」
南北9・19軍事合意により南北の軍事当局と国連司令部が2018年10月25日午後1時をもって板門店共同警備区域内のすべての火器、弾薬、警戒所を撤収した。翌26日午前、板門店から南北の軍人の姿が消え、ガランと空いている=板門店/写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 非武装化された板門店共同警備区域(JSA)の南側地域観光が、早ければ4月末~5月初めに始まる。共同警備区域の観光は6カ月間暫定中断されていた。9・19南北軍事合意で「共同警備区域の非武装化」がなされた後、そこが一般人に公開されるのは初めてだ。

 韓国国防部当局者は19日「現在は南側地域に限定した共同警備区域観光の再開を検討している」として「以前と異なる点は、市民が完全に非武装化された共同警備区域を見て回れるようになったこと」と明らかにした。続けて「(完全な自由往来を)準備する過程、段階的に施行する過程」としながら「(南・北・国連司令部が)持続的に協議している」と付け加えた。

 南側地域に限った観光ではあるが、市民たちは共同警備区域の南側地域に新たに設置された北側境界警戒所と、すでに閉鎖された過去の警戒所を見ることができる。4・27南北首脳会談当時、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が一緒に植えた松と、両首脳が倍席者なしで対話を交わした徒歩橋も見学できるようになる。共同警備区域内の軍事境界線を挟んで、武装して相手方を警戒してきた南北の軍人の姿は消えた。「民事警察」という腕章をはめた非武装警備人員が観光客の案内を務める。政府消息筋の話では、非武装化された共同警備区域の南側地域に限った観光は、早ければ今月末、または来月初めに再開される予定だ。

 ウェイン・エア国連軍司令部副司令官は18日、平沢市(ピョンテクシ)のキャンプ・ハンフリーズの国連軍司令部で「非武装化が完了した共同警備区域の軍事境界線南側地域で先に民間人の自由往来を実施する予定」とし、「この措置は、共同警備区域で南・北・国連司令部の共同勤務守則が完成されるまでの暫定的措置だ」と説明した。彼は「非武装化以後に、共同警備区域の緊張レベルが実際に低くなったことを実質的、物理的に感じることができる」として「低いレベルから信頼を積み上げ、平和に向かって進むことができる」と付け加えた。当面は南北を自由に往来できるわけではないが、非武装化が完了した共同警備区域で南北が各自の地域で観光をしていけば、遠からず完全な自由往来が可能になるという話だ。韓国軍関係者は「南側の軍事合意書履行の意志を(北側に)見せるという目的もある」と説明した。

 南と北は昨年、軍事合意書を締結して「南・北・国連司令部の3者協議体を構成し、板門店共同警備区域の非武装化措置方案を協議・履行」することにした。このために板門店観光は10月末から暫定中断された。南・北・国連司令部は、昨年10月25日まで共同警備区域に残っていた地雷を除去し、各自の警戒所から火力装備、不要な監視装備を撤去し、該当警戒所を閉鎖する作業を終えた。だが、3者はまだ共同警備区域内で一緒に勤める時に適用する“共同勤務守則”を完成できていない。そのために南北を自由に行き来する“完全な自由往来”にはさらに時間がかかる見込みだ。

 国連司令部軍事停戦委員会のバーク・ハミルトン秘書長(陸軍大佐)は18日、行事で「(勤務守則の)内容を合意するまでにはまだ長い時間がかかることを認める」として「だが、内容に対する協議はなされており、規則を作るか否かを論議しているわけではない。北朝鮮も同意しており、合意がまとまれば自由往来が可能になると見る」と話した。

 自由往来が遅れているのは、膠着状態にある朝米交渉の影響もあると見られる。ベトナムのハノイで開かれた2回目の朝米首脳会談の成果が良ければ、共同警備区域の自由往来など南北軍事合意の履行にはずみがつくと見られていた。だが、朝米が会談で合意文の導出に失敗し、国連司令部、すなわち米国との協議が必要な軍事分野の合意履行にも支障が生じた。これまで北朝鮮は、共同警備区域の北側地域に対する観光客訪問を持続的に許容してきており、南側だけが観光を中断している理由はないということも作用した。板門店共同警備区域は、一般市民はもちろん外国人も頻繁に訪れるなど観光需要がある所だ。

ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/890690.html韓国語原文入力:2019-04-19 20:23
訳J.S

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