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「知られざる北朝鮮の核施設」とは?

登録:2019-03-01 00:53 修正:2019-03-01 08:36
トランプ大統領が28日、JWマリオットホテルで、朝米首脳会談で合意に至らなかった理由などについて記者会見を行っている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米大統領が28日、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長と合意に至らなかった状況を説明する際、「寧辺(ヨンビョン)以外にこれまで知られていなかった北朝鮮の核施設を発見した」と述べて、注目が集まっている。北朝鮮の非公開核施設については、研究機関と情報当局の報告があったが、トランプ大統領がこれを公に言及したのは初めてだ。

 トランプ大統領は同日、宿泊先のJWマリオットホテルで開かれた記者会見で、「寧辺の核施設よりもプラスアルファを期待していたか」という質問に対し、「(それが)必要だった。これまで言及されなかったものの中に、私たちが発見したものもある」と答えた。さらに「ウラン濃縮施設なのか」という追加質問に対しては、「そうだ。我々に知られて、北朝鮮は驚いた様子だった」と述べた。記者会見に同席したマイク・ポンペオ国務長官は「寧辺の核施設のほかにも、規模が非常に大きな核施設がある」と説明した。

 トランプ大統領が言及した北朝鮮の核施設がどこを指すのかは確かではないが、昨年シンガポールでの第1回朝米首脳会談を前後にして、米国のマスコミに報道された降仙(カンソン)のウラン濃縮施設が、一応候補に挙げられる。米国のマスコミは当時、科学国際安保研究所(ISIS)の報告書と国防情報局(DIA)の分析などを引用して、北朝鮮が降仙(カンソン)で秘密裏にウラン濃縮施設を運営しており、規模が寧辺の2倍に達すると報じた。「非常に大きな核施設」というポンペオ長官の発言と一致する。さらに、ミドルベリー国際学研究所の不拡散研究センターは、2001年から撮影した衛星写真を分析し、降仙の核施設の位置を平安南道南浦市千里馬(チョンリマ)区域と指摘した。

 2001年まで空き地だったここに、初めて建物を建てる様子が捕らえられたのは、2002年4月だという。北朝鮮は1998年~2002年、パキスタンでウラン濃縮技術と遠心分離機を導入したとされる。このため、降仙を寧辺の核施設よりも先に建設された北朝鮮初のウラン濃縮施設と見る専門家もいる。米国情報当局は2007年から同施設に注目してきたが、2010年までは核施設だと疑わなかったという。

 「北朝鮮が驚いたようだった」というトランプ大統領の発言から、これまで報道されなかった地下の核施設である可能性もある。米情報当局は、北朝鮮が秘密裏に地下の核施設を運営していると疑ってきた。降仙の位置を特定した不拡散センターのジェフリー・ルイス局長は昨年7月、「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)とのインタビューで、「降仙は地下核施設ではない」とし、「知られざる第3の施設が地下にある可能性もある」と述べた。

ユ・ガンムン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/884107.html韓国語原文入力:2019-02-28 21:54
訳H.J

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