2回目の朝米首脳会談に向かう金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の移動手段と経路がベールに包まれた状態なので、様々なシナリオが出てきている。金委員長がベトナムを往来する途中で中国を訪問し、5回目の朝中首脳会談をするかも関心事だ。
まず、金委員長が専用機「大鷹1号」に乗ってハノイまで移動するかが関心を引く。金委員長の専用機は、イリューシン(IL)-62M中型機を改造したもので、諸元上は1万キロメートルまでの飛行が可能であり、平壌から2760キロメートル離れたハノイまでは中間寄着なしで行くことができる。金委員長は昨年6月の初の朝米首脳会談の時は、平壌から4700キロメートルのシンガポールまで中国高官級専用機を借りて乗った。「大鷹1号」は当時随行員を乗せてシンガポールを往復した。一部では、北朝鮮内部で最高指導者が他国の航空機を利用したことに対する不満があったという話もある。しかし今回も中国の飛行機をレンタルする可能性は排除できない。
金委員長が専用機への搭乗を決めるなら、予行演習が必要だろうという観測が提起される。ある外交消息筋は「北朝鮮の操縦士は相対的に飛行経験が不足している」とし、「今週中に二度ほど練習飛行をする可能性がある」と話した。航空業界のある関係者は「国際航路および空港情報は概してマニュアルがよく整備されていて事前の下見が必要だとは言えないが、安全目的で事前の練習をすることはありうる」と話した。
金委員長が専用列車で中国を通過する可能性を提起する人々もいる。しかし、片道で三日近くかかるので現実的でないとの評価が多い。
一部では、金委員長がハノイ会談を終えて帰国する時に中国に立ち寄り、朝中首脳会談をする可能性を予想している。金委員長は昨年以後、中国を訪問して習近平中国国家主席に4回会った。中国は3月3日の全国政治協商会議開幕(全協)を始め、年中最大の政治行事である両会シーズンに突入する。ある北京消息筋は「習主席が全協開幕前に金委員長に会い、朝米首脳会談の結果を議論する可能性がある」と指摘した。
金委員長が、中国の改革・開放の“聖地”である広東省広州や習主席が推進する新しい自由貿易地帯である海南島の三亜を経由するかもしれないという予想もある。朝米首脳会談の儀式を調整するキム・チャンソン国務委員会部長が、広州を経てハノイに移動したことを、金委員長の広州経由に対する暗示と見る人々もいる。しかし、キム部長がハノイに行く最も早い航空便を探して広州を経由したという分析もある。
金委員長がハノイ会談を終えひとまず平壌に戻った後、3月の両会期間に中国を再訪問し、習主席に会う可能性も排除できない。