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五輪が終わると「心変り」…加里王山復元の約束を破ろうとする江原道

登録:2018-12-13 09:15 修正:2018-12-13 10:02
江原道・旌善郡「施設存置」を主張 
「五輪後には原状復旧」の約束を覆す 
「地域経済のためにゴンドラ・道路など必要」 
政府が提案する復元支援予算も拒否 
 
山林庁「全面復元は法的義務事項」 
強制撤去など行政代執行まで予告
キム・ジェヒョン山林庁長が12日、江原道旌善郡庁の大会議室で加里王山のアルペン競技場の復元と関連し、地域住民たちと話し合っている=山林庁提供//ハンギョレ新聞社

 平昌冬季五輪の時、スキー場として使われた加里王山(カリワンサン)の山林復元をめぐり、山林庁・環境団体と江原道・旌善郡(チョンソングン)が正面衝突している。江原道と旌善郡が「五輪が終われば原状復旧する」という当初の約束を破り、一部施設の存置を主張したためだ。山林庁は江原道・旌善郡が復元に協力しなければ、行政代執行で施設を強制撤去すると明らかにした。

 山林庁は12日、「加里王山スキー滑降競技場の山林復元計画に変わりはない。国有林の使用許可期限の今年12月31日以降、関連法による行政手続きを実施する。まず復旧命令を下した後、履行しなければ来年上半期中に施設撤去など行政代執行を実行する方針」と明らかにした。キム・ジェヒョン山林庁長はこの日旌善郡を訪れ、このような内容を説明した。

 これに先立ち江原道は、今月10日に発表した「加里王山生態復元基本計画」にゴンドラと管理用道路を存置するという内容を含めた。チェ・スンジュン旌善郡長も11日、地域住民らと江原道庁で行った記者会見で、「ゴンドラと管理道路の存置でなければ、政府のいかなる調停案も受け入れることはできない。政府の全面復元計画に決死反対する」と明らかにした。一部の旌善住民たちは復元対象地の前に「アルペン競技場を山林資源化せよ」という内容の横断幕をかけてデモをするなど、復元を防ぐための実力行使に出た。

 しかし、山林庁は計画どおり、「加里王山復元」を執行する計画だ。山林庁は「加里王山スキー場は五輪後に山林に復元するという社会的約束によって許可され、江原道も山林復元を約束した。平昌五輪法によって国有林の使用許可、山地転用協議など例外的な行政手続きを経てスキー場を設置したのだ。当初の計画通り復元するのは交渉対象ではなく、法的義務だ」と明らかにした。

 当初、江原道と旌善郡も加里王山の復元を約束したが、五輪後に態度を変えた。これに先立ち山林庁と江原道は「平昌五輪関連施設の造成のための用地使用許可」問題を協議し、2014年5月16日から2018年12月31日まで加里王山の山林206万7242平方メートルを使用した後、全面復元することにした。江原道は五輪1カ月前の今年1月、山林庁中央山地管理委員会に提出した復元計画にも、生態基盤の構築(2019~2023年)▽生態復元の主要手続きの仕上げ(2024~2033年)▽生態復元モニタリング(2034~2073年)など、段階的全面復元を明示した。

 しかし、五輪が終わると2021年南北冬季アジア大会誘致、地域経済活性化などの名分を掲げ、競技場(スロープ)、ゴンドラ、道路など五輪施設の保存に態度を変えた。一部の体育界も五輪施設の維持に肩入れした。先月6日、国会文化体育観光委員会の主管で開かれた旌善アルペンスキー場関連公聴会で、パク・ソンヒ韓国外国語大学教授(国際スポーツレジャー学部)は「五輪施設、遺産管理の核心は、地域住民がいつでも訪れ享受できる大衆的空間として活用できるよう江原道民に返すこと」だと主張した。

 これについて山林庁関係者は、「文化体育観光部がアジア競技大会の南北共同開催の際には北朝鮮の馬息嶺(マシンニョン)スキー場を活用するというカードを出すと、スロープ存置の主張はやめたが、今は観光や地域経済などを前面に出してゴンドラや道路の存置を主張している。無理筋の主張だ」と反論した。

キム・ジェヒョン山林庁長(左)が12日、江原道旌善郡庁で旌善郡と旌善郡の住民たちに加里王山のアルペン競技場の復元について説明している=山林庁提供//ハンギョレ新聞社

 さらに江原道・旌善郡は、山林庁が提案した加里王山山林復元予算の支援まで拒否するという立場だ。10月28日、山林庁は国務調整室長の主宰で開いた政策協議で、チェ・ムンスン江原道知事に対し、加里王山山林全面復元予算802億ウォン(約80億円)の48.1%である植生復元部門予算386億ウォン(約38億円)と休養林・休養タウンなど山林福祉地区造成予算350億ウォン(約35億円)の支援を提案した。しかし、江原道はこれすら拒否した。緑色連合、江原市民社会団体連帯会議など環境・市民団体も加里王山の復元を強く要求した。緑色連合活動家のイム・テヨン氏は「江原道・旌善郡が加里王山の復元を拒否するのは社会的約束と法を破ることであり、スキー場跡地は五輪後に放置され山崩れまで起きている。一日も早く復元しなければならない」と明らかにした。

オ・ユンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/874225.html韓国語原文入力:2018-12-13 07:09
訳M.C

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