2020東京五輪まで任期が保障されていた宣銅烈(ソン・ドンヨル、55)野球代表チーム監督が電撃的に辞任した。昨年7月、韓国野球代表チーム史上初の専任監督に就任してから1年4カ月目のことだ。宣監督は特に辞任の記者会見文を通じて、チョン・ウンチャン韓国野球委員会(KBO)総裁と共に民主党のソン・ヘウォン議員に直撃弾を飛ばし、その影響が大きい。
宣監督は14日の記者会見文で「アジア競技大会で3回連続金メダルだったにもかかわらず、これといった歓迎式も行われず、金メダルのセレモニーさえできず、金メダルを首にかけることもできなかった」とし、「国家代表の監督として金メダルの名誉と奮闘した選手らの自尊心を守ってあげられなかったことに対し、実にみじめな心情だ」と明らかにした。
彼はさらに「その時私は決めた。監督として選手らを守り、金メダルの名誉を取り戻す適切な時期に辞任することを決意した」と述べた。
宣監督はまた、10月の国会国政監査で「ある国会議員が発言した。『この優勝が(アジア競技大会の金メダルが)それほど難しかったとは思えない」と。これもまた私の辞任の決心を確固とさせるのに役立った」と述べた。続いて宣監督は「専任監督制に対する(チョン・ウンチャン)総裁の(専任監督制が必要ないという)考えを、(国政監査の発言で)初めて知った」とし「私の自主辞任が総裁の所信にも合致すると信じる」とチョン総裁にも直撃弾を飛ばした。
宣監督は「国家代表監督が国政監査に証人として出席することは、世界的にも類例がなく、大韓体育会史上、国家代表監督史上、韓国野球史上初めてだと聞いている」とし、「スポーツが政治的な消費の対象になる、そうして無分別に証人として呼ばれる事例は、私が最後であることを切に希望する。いかなる場合にも政治とスポーツは当然分離されるべきだ」と強調した。
宣監督は兵役特例問題と関連し、時代の批判に鈍感だった点を再度謝罪しながらも「選手選抜と競技運営に対する監督の権限は独立的であり尊重されるべきだ」と強調した。
宣監督はこの日午後2時、チョン・ウンチャン総裁との面談を控え、記者団に急きょ携帯メールを送り、午後2時30分に記者会見を行った。記者たちの前に立った宣監督は怒りを抑えているようで、結局準備してきた辞任記者会見文を全部は読めずに、1分30秒あまりで会見場を出た。取材陣の質問が相次いだが、彼は笑いながら「謝罪文(記者会見文)ですべて申し上げたとおりだ」と手を振った。
宣監督の自主辞任で、チョン・ウンチャン総裁のリーダーシップも致命的な打撃を受けた。チャン・ユンホKBO事務総長は「総裁と私、KBO職員はみな宣監督の辞任を予想できなかった。総裁は今日(面談を終えて)部屋を出ようとする宣監督を防いでまで辞任を引き止め、『東京五輪まではチームを担ってほしい』と頼んだ」とし「次期監督については考える隙さえなかった」と話した。