本文に移動

ソン・フンミンは免除され、BTSは免除されない「兵役特例」、見直されるか

登録:2018-09-04 08:59 修正:2018-09-04 09:45
アジア大会以後、兵役特例の公平性論議が広がると 
兵務庁長「制度を見直す時になった」と検討する方針を明らかにし 
国防部「芸術・体育要員を含む兵役制度全般を再設計」
韓国サッカー代表チームの選手たちが1日夕方(現地時間)、ボゴールのパカンサリ競技場で開かれた2018ジャカルタ・パレンバンアジア大会男子サッカー決勝で韓国対日本の試合で勝った後、金メダルを受けとるため授賞台に上がり歓呼している=ボゴール/ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 2018ジャカルタ・パレンバンのアジア大会は幕を下したが、1位入賞者の兵役免除をめぐる論争はさらに熱くなっている。これについて兵務庁は、芸術・体育要員の兵役特例制度を全体的にもう一度見直すという立場を3日、明らかにした。

 キ・チャンス兵務庁長はこの日「最近の議論を見て、兵役特例制度を見直す時になったと感じている。体育・芸術兵役特例を全体的に再検討する計画」だと話したと聯合ニュースが報道した。兵務庁はタスクフォース(TF)を構成したり、外部委託をするなどの方式で改善案を用意する計画であることが分かった。キ庁長はまた、「今後兵役資源が減少するため(戦闘兵ではなく戦闘警察や消防員として兵役義務を履行する)転換服務も廃止される。まず、兵役特例の基準を厳しくする方向で制度改善を検討する方針」と付け加えた。

 キ庁長の発言の内容が伝えられると、国防部はすぐに立場を発表し、「(キ庁長の発言は)兵役義務の公平性などと関連した兵務庁の原論的な立場であり、芸術・体育要員制度と関連して現在は(厳しくする方向で)検討していない」と説明しながらも、「芸術・体育要員制度の改善の必要性については、今後兵務庁と関係機関等の意見を収れんしていく」と、再検討の余地は開いておいた。国防部当局者は「今後中長期的に転換服務や代替服務を含めた兵役制度全般に対する再検討が避けられないのが現実だ。対象者が少ない芸術・体育要員制度だけを直ちに見直すことは難しく、このように中長期的に兵役制度全般を再設計する過程でこの問題も検討することになる」と話した。

 兵役法33条の7と兵役法施行令68条によると、▽五輪3位以上の入賞者▽アジア大会1位の入賞者は体育要員として、▽国際芸術コンテスト2位以上▽国内芸術コンテスト1位の入賞者▽重要無形文化財伝授教育履修者は芸術要員に編入される。彼らは4週間の基礎軍事訓練だけを受けて社会に出て、体育と芸術分野で34カ月間勤務し、特技活用ボランティア活動を544時間することで兵役を終えることになる。事実上の兵役免除である。今回のアジア大会では全部で42人が兵役免除対象だ。団体戦はたった1分でも走れば該当する。

韓国のイ・ジョンフ(一番左)が先月28日昼(現地時間)、ジャカルタのグロラ・ブンカルノ(GBK)スタジアムで行われた韓国対香港の試合で2発のホームランを放ち勝利を収めた後、選手たちと挨拶している=ジャカルタ/ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 選手たちの兵役免除は毎回議論になった。対象は主にサッカーと野球などのプロ選手たちだ。野球は2014年の仁川アジア大会の時、ナ・ジワン(起亜タイガース)が負傷を隠して代表チームに選抜された後、兵役免除を受けて非難を受け、今回は昨年に尚武(国軍体育部隊)入隊を放棄したオ・チファン(LGツインズ)が代表チームに抜擢され、議論が起きた。今回兵役免除を受けた野球選手は代表チーム24人のうち9人だ。サッカー代表チームは野球より非難は少なかったが、ソン・フンミン(トッテナム)、ファン・ウィジョ(ガンバ大阪)など20人全員が兵役について恩恵を受ける。

 活動期間が長くても30代中・後半までである選手たちは、兵役問題にとても敏感だ。しかし、一度の成績で兵役が免除されるのは公平性に反するという指摘も提起されてきた。体育界でも改善の必要性が取り上げられている。イ・キフン大韓体育会長は2日、アジア大会代表チームの解団式で「五輪やアジア大会はもちろん、世界選手権大会まで含め、成績によってマイレージを多く積んだ選手に恩恵を与える案(点数累積制)はどうかと思っている」と明らかにした。

 完全に兵役特例制度をなくし、軍服務期間を引退後まで延期する案も取り上げられている。ホン・ソンス淑明女子大学教授は3日、ハンギョレへの寄稿で「35歳や40歳まで十分に延期させ、その後に兵役を履行するようにさせる」とし、「彼らが本当にうまくできることで社会奉仕してもらうことも方法」だと書いた。

 芸術要員が純粋芸術にのみ適用されることにも問題があるという指摘が出ている。正しい未来党のハ・テギョン議員は、7月に国会国防委員会で「バイオリン、ピアノのようなクラシック音楽コンクールで1位を取れば兵役特例を与えるが、ビルボードチャート1位を取っても兵役特例を与えない」とし、防弾少年団(BTS)の軍免除の世論を取り上げたことがある。

パク・ビョンス先任記者、キム・ヤンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/860492.html韓国語原文入力:2018-09-03 22:11
訳M.C