労働運動出身のホン・ヨンピョ共に民主党院内代表が「強硬労働界」を批判する発言をし、労働界が反発している。与党院内代表の荒っぽい発言が、弾力労働制の拡大など敏感な労働懸案をめぐる社会的な議論に悪影響を及ぼすのではないかという懸念の声が党内でも上がっている。
ホン院内代表は12日、就任6カ月の記者懇談会で、「いま民主労総とは対話では何もできない。常に暴力的なやり方を使う」と民主労総を批判した。社会的大妥協機関である「経済社会労働委員会」への復帰を決めない民主労総と「どうやって対話するつもりか」という取材陣の質問に対する返答だった。彼はまた、自身の地方区(仁川富平乙)にある韓国GM自動車の労働組合についても「労組が以前、カハー・カゼム社長を監禁したが、米国でそんなことをしたらテロだ」と責めた。
ホン院内代表は、GM自動車の前身である大宇自動車で労働運動をした。再選議員となった第19代国会の時、環境労働委員会の野党幹事を務め、今年5月の院内代表就任直前まで環境労働委員長を務めた。彼は普段から社会的妥協を強調し、上級労組の硬直性を何度も批判した。5月には最低賃金の計算の範囲にボーナスや福利厚生費まで含める最低賃金法改定合意を主導し、労働界の強い反発を買った。その後、6月13日の地方選挙遊説での現場のあちこちで民主労総の組合員たちがホン院内代表に抗議し、遊説が困難になったほどだ。最近、GM労組は会社側の研究開発法人の分離を防いでほしいと、ホン院内代表の地域事務室を占拠し、座り込みを行っている。積みに積もったホン院内代表と労組の軋轢が、最近最高潮に達したという見方が多い。
ホン院内代表の強気の発言は、社会的妥協のために労組の譲歩を求める文在寅(ムン・ジェイン)政府の最近の基調とも一致する。大統領府のイム・ジョンソク秘書室長は6日、国会運営委員会の国政監査で「民主労総と全教組はもはや社会的弱者ではないと考えている。過去のように弱者ではないため、民主労総がかなりの社会的責任を分かち負わなければならない」とし、経済社会労働委員会に復帰しない民主労総を批判した。文在寅政権の所得主導成長が攻撃を受けている状況で、労組側の譲歩を引き出し、立法の成果を出すという焦りによるという分析も出ている。民主党のある議員は13日、ハンギョレとの電話インタビューで「労働界と話し合いながら合意を導き出すべきなのに、あまりにも強い姿勢を示しており、心配になる」と話した。ホン院内代表は7月から実施された労働時間の短縮に経営界が反発すると、今年の通常国会で弾力労働制の単位期間を現行の3カ月から6カ月に増やす弾力労働制拡大立法を推進している。
労働界は与党幹部による「労働界たたき」に反発した。民主労総のナム・ジョンス代弁人は「弾力労働制の改悪を民主労総が強く批判しているので、(与党の)公約の後退を隠そうとして民主労総を攻撃しているように見える」とし、「自分たちが決めたルールと時間内にしないならば国会で強行処理するというが、これは対話をしようという姿勢ではない」と批判した。