本文に移動

朝米高官級会談、一日前に電撃延期

登録:2018-11-07 21:51 修正:2018-11-08 07:51
8日は開かれず…米、「日程再調整」
北朝鮮の金英哲労働党副委員長が10月7日、平壌空港でマイク・ポンペオ米国務長官を見送っている=米国務省提供//ハンギョレ新聞社

 8日(現地時間)に開く予定だったマイク・ポンペオ米国務長官と金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮労働党副委員長の朝米高官級会談が7日、突然延期された。米国務省の会談公式発表から一日で会談が突然延期された背景に関心が集まっている。

 米国務省はこの日、ヘザー・ナウアート報道官名の声明を出し「今週ニューヨークで開く予定だったポンペオ長官と北朝鮮当局者の出会いは、今後いつかの時点に開くことになる」とし「私たち(朝米)は、各自の日程が許す時にまた会うだろう」と明らかにした。「進行中の対話は継続されるだろう」と付け加えた。

 米国と北朝鮮当局は、会談延期の理由を明らかにしなかったが、専門家たちは制裁問題をめぐり朝米が折衷点を求められなかったことが主因と分析している。米国は「先非核化、後制裁解除」の立場を固守している反面、最近北朝鮮は制裁に対する不満の声を高め、非核化と制裁緩和の同時的措置を強く要求している。

 こうした状況で、北朝鮮は制裁問題のもつれを解くために、金英哲副委員長とトランプ大統領の面談を強く要求したが、この日まで米国の確答を得られなかったとし、結局終盤に会談の延期を要請したと消息筋は伝えた。金英哲副委員長一行は、6日と7日に北京発ニューヨーク行きの航空便の予約と取消を繰り返し、ギリギリまで米国側の確答を待っていたという。北朝鮮は、トランプ大統領の“決断”がなければ、米国が制裁緩和・解除に前向きな態度を見せることは難しいと判断したと見られる。だが、米国はトランプ大統領が9日から欧州を訪問する日程などを挙げて面談に難色を示したと伝えられた。

 北朝鮮内では、非核化措置を始めたのに制裁のために顕著な経済成果を上げられずにいる状況に不満が高まっている。「敵対勢力が私たち人民の福利増進と発展を阻み…あくらつな制裁策動のみに愚かに狂奔している」という金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の1日付け労働新聞発言が代表的だ。

 韓国の国家安保戦略研究院のチョ・ソンニョル首席研究委員は「北側が要求する対北朝鮮制裁緩和に対して、米国は非核化が完了する時までできないと言っている状況であり、北側では会談を持ってみても効果がないと考えただろう」とし「朝米高官級要人が直接会っても成果がなければ、対話の動力まで失うことになりかねないため、両側が満足する成果を上げられる事前調整ができるまで会談日程を先送りする方が良いと判断したのだろう」と話した。キム・ジュンヒョン韓東大学教授も「今回の会談で成果を上げるにはまだ力不足と北朝鮮が判断したかも知れない」として「高官級であれ、実務会談であれ、朝米間に結局は会談が開かれるだろう。米国の中間選挙が終わったので、トランプ大統領の身動きの幅が広くなった点も希望的だ」と話した。

 外交部の高位当局者は「過去にも朝米間の会談が予定されていたが延期された事例が少なくない。一喜一憂する必要はない」として「米国が再び日程を定めると言ったので対話は続くだろう」と話した。スティーブン・ビーガン米国務省対北朝鮮政策特別代表は、会談の延期を公式発表する前にイ・ドフン外交部挑戦半島平和交渉本部長にあらかじめ関連内容を伝えていたことが分かった。

ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/869314.html韓国語原文入力:2018-11-07 20:18
訳J.S

関連記事