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文大統領、江汀村を訪ね「深い慰め…赦免・復権を積極的に検討」

登録:2018-10-12 08:17 修正:2018-10-12 08:58
海軍観艦式の後、住民と懇談会 
「基地建設の手続き的正当性が不十分」 
治癒と和解が必要」事実上謝罪 
 
刑事処罰された住民の赦免・復権 
「裁判が全て確定すれば検討」
文在寅大統領が今月11日午後、済州道西帰浦市江汀村のコミュニティセンターで開かれた懇談会に出席し、発言している=西帰浦/大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が11日、済州(チェジュ)海軍基地建設問題で政府と10数年間対立してきた江汀(カンジョン)村を訪れ、「大統領として深い遺憾の意を表し、慰めの言葉を申し上げる」と謝罪した。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の2007年、済州江汀村が海軍基地候補地に確定してから、現職大統領が江汀村を訪れたのは、今回が初めてだ。

 文大統領は同日午後、済州道西帰浦沖で開かれた「2018大韓国海軍国際観艦式」に参加した直後、江汀村を訪問し、住民たちと懇談会を行った。また、「国家安全保障のためであっても、手続き上の正当性と民主的な正当性を守るべきなのに、それができなかった。これにより、江亭村の住民の間で、また済州道民の間に溝が深まり、住民共同体が崩壊した」と述べた。文大統領が盧武鉉元大統領の秘書室長だった2007年、基地建設が決まって以来,江亭村の住民たちに謝罪の意を伝えたのも初めてだ。

 文大統領は「私は大統領候補時代、江汀村問題の解決を約束しており、今も当然それを忘れていない」とし、「胸に積もった恨と痛みが多いと聞いている。政府が事業を進める過程で住民と深くコミュニケーションできなかったため起きたことだ」と述べた。さらに、「今は江汀村の治癒と和解が必要だ」とし、「深い傷であればあるほど、社会が共に抱え、癒さなければならない」と強調した。

 特に、彼は「政府の求償権請求はすでに撤回された。赦免・復権が残った課題だが、赦免・復権のためには、関連した事件の裁判がすべて確定しなければならない。そうした事件がすべて確定し次第、積極的に検討する」と約束した。

 文大統領は昨年の大統領選で「国策事業の推進過程で発生した対立と苦しみに対し、責任をもって対処する」と述べ、朴槿恵(パク・クネ)政権による約34億ウォン(約3億3千万円)の求償権請求の撤回▽司法処理対象者の赦免▽江亭村共同体回復事業への支援などを約束した。政府は昨年12月、求償権請求訴訟を取り下げた。

 特に同日、発言を締めくる際、「平和の島、済州に海軍基地なんてとんでもないという反対の声があり、もっともらしいと思うが、すべての真実を盛り込んでいるわけではない」とし、「軍事施設だからといって必ずしも戦争の拠点とは限らない。やり方次第では平和の拠点にもなれる」と強調したと、キム・ウィギョム大統領府報道官が書面ブリーフィングで伝えた。文大統領は国際観艦式に対する批判を意識したかのように、「なぜまた傷口を塩を振るような真似をするのか」という批判もあるが、海軍基地を作ったからには、江汀を活性化すべきなのではないか」とし、「江亭の住民も自負心を持つべきだ」と強調した。

 当初、政府内では今回の国際観艦式を済州ではなく、釜山(プサン)や鎮海(チネ)などで開催しようという意見もあったという。しかし、文大統領は、対立にふたをするよりも、能動的に対処すべだとして、江汀村の沖合いで観艦式を開く意思を明らかにしたという。同日の懇談会にはカン・ヒボン江汀村会長をはじめ、ウォン・ヒリョン済州知事や政府関係者、国会議員らが出席した。カン・ヒボン会長は歓迎のあいさつで、「この10年間、共同体破壊の葛藤と苦しみを、今日、大統領の江汀村訪問をきっかけにすべて忘れ、これからは幸せになりたい」と涙声で語った。また、「江汀村共同体を回復し、400年間にわたる村の歴史の中に育んできた和合と共存の共同体精神を再び花咲かせるためには、赦免・復権が必要だ」と話し、文大統領もこれにうなずく場面もあった。

 文大統領は「厳しく叱られる覚悟で来たのに、温かく迎えていただき、ありがとうございます」とし、「江汀村の住民の皆さんにお目にかかり、感無量で、万感交到る。暖かい歓迎のあいさつをして下さったカン・ヒボン村長に感謝の言葉を送る」と重ねて感謝の意を伝えた。

キム・ボヒョプ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/865517.html韓国語原文入力:2018-10-11 23:35
訳H.J

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