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「勤労時間短縮は生存権を脅かす」ベッドに横たわり街頭デモに出た障害者たち

登録:2018-10-11 09:50 修正:2018-10-11 17:24
筋肉障害者連帯、ベッド・車椅子に乗って大統領府まで行進 
「活動支援士が特例業種から外され、一人放置され生命の危険に」 
4月、活動支援士の退勤後に呼吸器が抜けて死亡した事件も
ハイリスク難病筋肉障害者生存権保障連帯の会員たちが10日午後、ソウル中区太平路の徳寿宮大漢門前で「重症障害者活動支援24時間支援」と「活動支援士の休憩時間に特殊業種指定を」などを求めて大統領府前まで行進している=カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社

 「いっそ安楽死させてくれ」

 生きたいという切羽詰った思いは、「死にたい」という絶叫ではじけた。ベッドと車椅子に頼る障害者たちの「声なき叫び」は、むしろ大きな声となった。

 ハイリスク難病筋肉障害者生存権保障連帯(筋肉障害者連帯)が10日午後、ソウル中区(チュング)の大漢門前で「ベッドで叫ぶ切迫した叫び(shouting on the bed)」キャンペーンを行った。彼らは「勤労時間短縮と義務休憩時間の保障を盛り込んだ労働基準法の改正案が、ハイリスク難病障害者の生命権を脅かしている」とし、生存権の保障を要求した。

 筋肉障害者30人あまりはこの日、ベッドに横になったり車椅子に乗って大漢門前に集まり、大統領府のサランチェまで行進した。午後4時ごろ、気温が14度まで下がり風まで吹いてかなり肌寒い天気だったにもかかわらず、人工呼吸器と点滴をつけて街頭に出た筋肉障害者たちは、活動支援士なしでは生存できない自分たちの状況をありのままに見せた。

 週52時間制の施行を盛り込んだ労働基準法が今年7月に改正され、障害者活動支援士は特例業種から除かれることになった。4時間勤務時に30分、8時間勤務時に1時間以上の休憩時間が義務づけられたわけだ。障害者団体は、労働基準法改正案が施行されてから3カ月が経ったのに活動支援士のサポートなしでは生活ができない重症障害者に対する政府対策は十分に準備されていないとし、街頭に繰り出した。

 筋肉障害者連帯のペ・ヒョヌ委員長は「活動支援士に休憩時間が強制的に与えられ、ハイリスク呼呼吸器筋肉障害者は一人で放置され、命の危険にさらされるようになった」とし、「保健福祉部は、ハイリスク重症障害者約800人に限り休憩時間の間家族や他の活動支援士に代替勤務を許容するなどの策を出したが、現実的な対策にはなり得ない」と指摘した。

 障害者団体によると、2014年基準で人工呼吸器を使う希少疾患の対象者1812人のうち1649人(93.7%)が筋肉障害者だ。活動支援士のサポートなしでは人工呼吸器が外れるなど危険状況に対処できない人がほとんどだ。実際、昨年4月には活動支援士が退勤した間に筋肉障害者の呼吸器ホースが抜け、同じく筋肉障害者の母親が見ている前で息を引き取るという事件もあった。ペ委員長は「毎年これと類似した事故が発生しているが、少数障害者という理由でニュースにもならず忘れられている」とし、「今回の特例業種からの除外で筋肉障害者はより大きな危険にさらされた」と主張した。

 金浦から集会に参加した筋肉障害者のチェ・ヨンホさん(25)も「だんだん息をするのが苦しくなり、ホースが抜けて亡くなった方々の苦しみを思い浮かべると本当に怖い」と言い、「最重症障害者のための24時間活動支援と拡大を通じて、重症障害者の生存権を守ってほしい」と訴えた。

 この日の集会には活動支援士も参加し、ベッドを引いたり車椅子を押した。6年間活動支援士として働いているKさんは、「30分どころか一時も障害者から目が離せない」とし、「休憩時間30分は決して休めない時間」と話した。Kさんは「活動支援士として障害者の生存権に共感し集会に参加した」と語った。

チャン・スギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/865258.html韓国語原文入力:2018-10-1021:48
訳M.C

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