7日に平壌(ピョンヤン)を訪問するマイク・ポンペオ米国務長官が3日(現地時間)、「北朝鮮の非核化を早く進めたいが、我々が時間に囚われる(time game)ことはない」と話した。ドナルド・トランプ大統領が先月26日にニューヨークで行った記者会見で、「時間には囚われない。2年でも3年でも5カ月でも、問題にならない」と明らかにしたものと軌を一にする発言だ。非核化過程が長くかかるという現実認識を反映したもので、北朝鮮との本格的な交渉を控えて「焦って主導権を握らせるわけにはいかない」と神経戦を繰り広げるような姿もうかがえる。
ポンペオ長官は同日午前、国務省庁舎で開かれた記者会見で「トランプ大統領は時間に囚われないと言ったが、あなたは2021年1月までに速やかな非核化を望んでいると述べた。米国が望むタイムテーブルがあるか」という質問を受けた。ポンペオ長官は先月19日、平壌南北首脳会談の直後、朝米対話再開意思を表明しながら「これは2021年1月までに完成される北朝鮮の迅速な非核化プロセスに向けた交渉の出発点」だと述べた。
ポンペオ長官は、この質問に「その二つは完全に一致する話だ。我々は早期実現を望んでいるが、先を急いだりはしないということ」だと答えた。彼は「2021年に先に触れたのは私ではない。平壌首脳会談で(南北の)指導者らの発言を、彼らの潜在的なタイムテーブルとして単に繰り返しただけ」だと述べた。ポンペオ長官はさらに、「トランプ大統領の言葉は的確だ。これは数十年間解決されなかった長期間の問題」だと付け加えた。
トランプ大統領とポンペオ長官が「時間に囚われない」と明らかにしたことで、米国が当初明らかにした「トランプ大統領1期目の任期(2021年1月)内の北朝鮮の非核化」というガイドラインは退けられたものと見られる。ポンペオ長官は6・12シンガポール朝米首脳会談直後、記者団にトランプ大統領の1期目の任期中に北朝鮮が主な非核化措置をとることを望んでいると述べた。また、強硬派であるジョン・ボルトン・ホワイトハウス国家安保補佐官は先月、「4月の南北首脳会談で両首脳が話し合った内容」だとし、「1年以内の非核化」を強調した。ヘザー・ナウアート国務省報道官は先月のブリーフィングで「目標は大統領の1期目の任期までにこれ(非核化)を終えること」と明らかにした。にもかかわらず、非核化のタイムテーブルを取り下げ、“長期戦”に備えて方向を転換したのだ。
これは非核化に移行する過程が長くかかることを念頭に置いた発言と見られる。トランプ大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と直接会い、核関連の学習が増えたことで、非核化に技術的・政治的に長い時間がかかるという点を認識するようになったというのが、外交筋の分析だ。しかし、北朝鮮との本格的な交渉を控えて「時間に囚われない」と宣言したのは、北朝鮮のペースに巻き込まれず、しっかりした成果に注力するというシグナルともいえる。目標時期を設定しないことで、交渉の成果に対する負担を減らす側面もある。
ポンペオ長官はまた、同日の記者会見で、「今回の訪朝で、朝鮮戦争の終戦宣言問題が解決されるか」という質問に「交渉が進行中の事案に対しては言及を差し控えたい」と答えた。その代わり、彼は「金委員長とトランプ大統領が6月にシンガポールで交わした約束を進展させるもう一つの機会のため、もう一度(北朝鮮に)行くことになってとても嬉しく思っているという点は言える」と述べた。ポンペオ長官は「2回目の朝米首脳会談だけでなく、私たちが非核化への道を構築する努力を続けられるよう、より良い理解と深い進展、今後の計画に向けて前進できると楽観している」と付け加えた。