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[ニュース分析]南北「軍事敵対の解消」が核心…非核化の「実践案」出るかに注目

登録:2018-09-17 06:19 修正:2018-09-17 16:49
首脳会談の「3大議題」注目すべきところは 

軍事緊張の緩和、大胆な合意は実現するか 
「緊張低下すればするほど、北朝鮮の非核化を促進」 
軍事的信頼構築案を最優先する努力 
 
非核化、言葉の代わりに実践可能だろうか 
両首脳、今回は実践案を本格的に協議 
「核申告-終戦宣言」めぐる別の解決策出る可能性も 
 
制裁緩和以降の経済協力策は何か 
南北鉄道など合意に進展みられる可能性も 
開城工団関連企業人・ヒョン・ジョンウン会長の訪朝に注目 
 
金委員長の答礼訪問が実現するかにも注目集まる 
政府、水面下の協議通じて実現に努力

板門店合意の履行の現況//ハンギョレ新聞社

 まだ脱冷戦の状態に至っていない朝鮮半島には、二つの敵対戦線が作動する。南北と朝米の軍事・政治的対立だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長は、4月27日の第1回首脳会談後に共同発表した「板門店宣言」で「朝鮮半島にこれ以上戦争はないい」と宣言した。南北首脳の事実上の「終戦宣言」だった。文大統領はその場で「我々は決して後戻りしない」と約束した。

 「平壌首脳会談」のテーマは4・27板門店会談同様、“平和”だ。しかし、第1回首脳会談の3大議題(朝鮮半島の非核化、朝鮮半島における平和定着、南北関係の発展)に比べ、はるかに具体化され、深化した“平和”を追求するという点が異なる。チョン・ウィヨン国家安保室長が5日に平壌で金委員長と面会してから帰還した7日、平壌首脳会談の3大議題は、板門店宣言の履行成果の点検と今後の推進方向の確認▽朝鮮半島における恒久的平和定着と共同繁栄に向けた問題▽朝鮮半島の非核化に向けた実践的な案の協議だと明らかにした。

 首脳会談の準備過程に詳しい多数の消息筋と政府関係者らは「平壌首脳会談のハイライトは、南北の軍事的信頼構築の進展」だと口をそろえた。板門店宣言第2条(軍事的緊張緩和と戦争の危険の実質的解消に向けた努力)の実践案の合意発表が「平壌首脳会談」の最重要課題になるということだ。

■南北軍事敵対の解消で共同繁栄の道開く

 文大統領は11日の国務会議で「今回の首脳会談では、南北の軍事的緊張と敵対関係の解消に集中的な努力を傾けるつもりだ」と強調した。これは非核化と終戦宣言など、相応措置の交換に進展が見られない朝米関係を「南北軍事敵対の解消」の速度戦で引っ張る一方、対北朝鮮制裁のため困難を強いられている南北共同繁栄の道を開くという戦略的布石だ。

 文大統領は光復節記念式典での演説でも「平和が経済だ」と述べており、リ・ヨンホ北朝鮮外務相も「経済建設に総力を集中する戦略路線を実現するためには、いつになく朝鮮半島とその周辺の平和的環境が必要だ」(8月4日、ASEAN地域フォーラムでの演説)と強調した。非核化など朝米関係の進展が予想より遅れても、南北の軍事対立の解消を加速化し、経済協力など共同繁栄の道を開いていくという共通認識に基づいている。

 南北はすでに将官級実務軍事会談などを通じて「板門店宣言の履行に向けた軍事分野の合意」の仕組みを用意した。陸・海・空の軍事対立を解消するきっかけを作る作業だ。非武装地帯(DMZ)では、監視警戒所(GP)の試験的撤収▽遺骨の共同捜索▽板門店共同警備区域(JSA)の非武装化などに事実上合意した。停戦協定に軍事境界線が設定されていない海では、海上射撃禁止区域の設定に共感したが、北方限界線(NLL)と北側が主張する「警備界線」をめぐる対立で、「西海におけるモデル共同漁労水域の設定」に合意していない。両首脳の談判が必要だ。空では、非武装地帯における飛行禁止区域の拡張に合意する可能性がある。

 チョン・ウィヨン室長は13日、ソウル安保対話の基調演説で「軍当局間の信頼構築を超え、事実上、初歩的なレベルの運用的軍備統制を図るもの」だとし、今回の「平壌首脳会談」で「段階的軍縮の実現」(板門店宣言第3条2項)へと進むしっかりした架け橋をかけるという抱負を明らかにした。

■非核化、言葉の代わりに実践

 非核化の議題と関連し、カギとなるのは両首脳が協議する「実践的方案」だ。「実践的方案」という表現が5日の特使団の訪朝以降、初めて登場した事実に注目する必要がある。「実践」は言葉や文書と異なり、行動を念頭に置いた表現だからだ。6・12朝米首脳会談以降、米国側を中心にフレーム化した「核申告-終戦宣言」の交換のパラダイムと異なるアプローチが、会談の結果として出る可能性を示唆する。詳しい消息筋は「核申告-終戦宣言の等価交換方式は、米国が誤って設定したフレーム」だと指摘した。ただ、両首脳がどのような「非核化実践案」を出すかは予断しがたい。外交安保分野の高官は「あまりにさまざまなことが話し合われており、実際にどのような結果が出るかは、両首脳の協議の結果を見守るしかない」として、慎重な態度を示した。

■制裁の緩和後、経済協力を図る

 文大統領は13日の南北首脳会談の元老諮問団との昼食会で、「本格的な南北関係の発展のためには、対北朝鮮制裁が解除されなければならない」とし、「国際制裁の枠組み内でできる南北関係の発展をに取り組む」と明らかにした。平壌首脳会談で大規模な新規経済協力プロジェクトの発表はないというメッセージだ。だからといって経済協力に関しては何の合意もないということではない。文大統領が光復節記念式典での演説で、「平和が経済だ」と明らかにした年内の南北鉄道・道路連結の着工式▽東アジア鉄道共同体の提案▽京畿・江原の国境地域への統一経済特区の設置構想などと関連し、両首脳の踏み込んだ合意があるかどうかを見守る必要がある。これと共に、「対北朝鮮制裁の緩和以降」を念頭に置いた広範囲な経済協力プロジェクトに向けた協議が、文大統領の平壌滞在期間中に多方面で行われる見通しだ。大統領府が16日発表した特別随行員リストに、4大グループの代表を含め、ポスコやKORAIL、韓国観光公社の代表者が含まれていた事実がこれを裏付ける。何より、長期中断状態にある開城(ケソン)工業団地・金剛山観光事業と直接関連した開城工団企業協会長と現代グループのヒョン・ジョンウン会長が随行団に含まれていたことに注目する必要がある。

■金正恩委員長は答礼訪問に合意するか

 3大議題には含まれていないが、金委員長の韓国答礼訪問を通じた文統領と金委員長の「第4回首脳会談」の日程が提示されるかも関心事だ。政府は公開的にはこれまで何の言及もしていないが、水面下の協議では「金委員長の韓国答礼訪問」の合意に向けて努力してきたという。4・27板門店会談は軍事境界線の南側ではあるが、「板門店共同警備区域」という特殊地域で行われたため、金委員長のソウルまたは済州(チェジュ)訪問に合意がなされれば、南北首脳会談の歴史に新たなページを刻むことになる。

イ・ジェフン、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/862338.html韓国語原文入力:2018-09-17 04:59
訳H.J

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