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「大韓航空機爆破事件」遺族ら、金賢姫を告訴…「私たちを北朝鮮追従者と罵倒」

登録:2018-07-24 08:34 修正:2018-07-24 08:56
虚偽事実の流布による名誉毀損などの容疑 
「一生遺族を助けながら生きたい」金賢姫の直筆誓約書を初公開
大韓航空858便爆破事件の犠牲者家族たちと真相究明対策本部は23日午前、ソウル中央地検の前で記者会見を開き、「爆破犯の金賢姫を名誉毀損などで告訴する」と明らかにした//ハンギョレ新聞社

 1987年の大韓航空(KAL)858便爆破事件の犠牲者家族らが、爆破犯の金賢姫(キム・ヒョンヒ)氏を23日、名誉毀損などの疑いで告訴した。

 KAL858家族会および真相究明対策本部はこの日午前、ソウル中央地検の前で記者会見を開き、「金氏が家族会と対策委を『従北(北朝鮮追従)勢力』『民族反逆者』と規定するなど、虚偽の事実を流布して名誉を深刻に毀損した」とし、「金氏を虚偽事実の流布による名誉毀損と業務妨害の疑いで告訴する」と明らかにした。

 家族会と対策本部は、金氏が2008年からメディアのインタビューなどを通じて、真相究明を要求する犠牲者家族と対策委を「従北左派」などと罵倒してきたと主張した。告訴状や対策本部の説明を総合すると、対策本部は「(北朝鮮によるテロ事件という)金氏の自白に疑問を持った人々が2001年に対策本部を構成し、犠牲者家族会とともに真相究明を要求してきたにもかかわらず、金氏はこれをすべて拒否し、総合編成チャンネルなどに出演して真相究明活動を『従北』として非難した」とし、「真相究明運動のイメージを傷つける行為に黙ってはおれない」と話した。金氏は2014年にある総合編成の放送で、真相究明活動について「大韓民国に害を与える利敵行為」と表現し、この1月あるインターネットメディアとのインタビューでも「北朝鮮を擁護し、北朝鮮に免罪符を与えようとする行為」と非難したことがある。

 家族会と対策本部は、KAL858便爆破事件が北朝鮮の犯行という点に疑問を抱き、真相調査を要求してきた。対策本部は「金氏が北朝鮮の工作員だとかKAL858便が爆破されたという事実を立証する客観的な証拠が全くない。事件発生の経緯に関する当時の政府の発表内容は、全面的に金賢姫が自白した言葉だけ」だとし、「金氏は1997年に『一生を遺族とともに助け合って生きていくよう努力する」という直筆誓約書も作成したが、家族の面談要請や公開討論の要請には一度も応じなかった」と話した。この日、対策本部は、金氏が作成した直筆誓約書も初めて公開した。

 家族会と対策本部はこの日の告訴で、爆破事件に対する真相究明が早急に行われることを願うという意思も示した。キム・ホスン家族会会長は「家族たちは犠牲者115人の一人でも遺体と遺品を探してほしいと絶叫し、再調査を要求してきた」とし、「(今回の告訴で)事件の真相が明らかにされることを、KAL858便爆破事件が見直されることを、家族たちは望んでいる」と話した。総括チーム長のシン・ソングク神父は「金氏が法廷に立つことになれば、国民の関心と世論によって真相究明が早まるものと期待する。法廷で真実を探し出そう」と話した。

KAL858便爆破事件は、1987年11月29日、大韓航空所属の858便ボーイング707機がイラクのバグダッドからソウルに向かう途中、ミャンマーのアンダマン海上で行方不明になった事件だ。当時、飛行機に乗っていた20人の乗務員と韓国人93人、外国人2人(インド、アラブ首長国連邦)の計115人が行方不明になり、遺体や遺品は発見されなかった。国家安全企画部(安企部)はこの事件を北朝鮮による空中爆破テロ事件と規定し、金氏を爆破犯と指摘した。KAL858便爆破事件は参与政府(盧武鉉政府)時代、真実委員会が乗り出して再調査したが、真実委は「1987年当時の安企部の捜査結果が正しい」という結論を下した。しかし、家族たちは調査結果を受け入れられないとし、先月27日にソウル西大門区延喜洞の全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領の家の前で記者会見を開き、「爆破事件の主犯は金賢姫ではなく全斗煥」だと主張している。

シン・ミンチョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/854455.html韓国語原文入力:2018-07-23 14:16
訳M.C