本文に移動

「女性労働者の正社員化に反対」起亜自動車・正規職労組の横暴

登録:2018-06-22 09:01 修正:2018-06-22 11:07
不法派遣労働者を正社員化する時に反対 
二回にわたり約700人の特別採用…女性は0人 
トイレ・更衣室など施設の不備が理由 
 
非正規職支会が労働庁に陳情すると 
「女性の採用は混乱増やすだけ」荒唐無稽な意見書 
非正規職労組の分離に続き利己的な行動
金属労組・起亜自動車支部の華城支会が今月11日、組合員を相手に出した会報。「混乱を増やすだけの準備なき女性正社員化、労働環境の造成が先だ」と書かれている//ハンギョレ新聞社

 起亜自動車が「不法派遣」労働者を正社員に転換する過程で、正規職労働組合が「女性労働者の正社員化」を反対した事実が確認され、論争が起きている。起亜自動車は労使合意によって2016年以降700人あまりの非正規職労働者を正社員として採用した。そのうち女性は一人も含まれなかった。

 21日のハンギョレの取材結果を総合すると、金属労組・起亜自動車支部(正規職労組)は今月14日、ソウル地方雇用労働庁を訪れ、「起亜自動車はまだ女性を正社員に採用する準備ができていない。準備のないままの女性の正社員化は混乱を増やすだけだ」という内容の意見書を提出したことが確認された。正規職労組が女性非正規職労働者の正社員化を先頭に立って反対したということだ。これに先立って、非正規職労組は3月に正社員への転換の過程で、女性労働者が排除(男女雇用平等法違反)されたとし、雇用労働庁に勤労監督を要請した。

 正規職労組の「女性正社員化反対行動」は11日にも行われた。起亜自動車支部の華城(ファソン)支会はこの日、会報を出して組合員を対象に「準備も不足し、現場での同意形成も不足した突然の女性の正社員化は同意できない」と主張した。労使が結んだ団体協約によって新しく採用(正社員転換)される人材は「組立部署」に配備されなければならないが、男性中心的な環境である組立部署には女性用トイレ・更衣室など施設が設けられておらず、「女性正社員化」が不可能だという論理だ。起亜自動車支部は昨年5月、組合員総投票を通じて非正規職労組を組織から外す規約の改正案を可決し、「正社員利己主義」議論を呼んだこともあった。

起亜自動車の社内下請組合員たちが2016年12月15日午前、ソウル市庁前の旧国家人権委の建物の広告塔で正社員採用を高地求め座り込みを展開している=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 起亜自動車労使は2016年10月、社内協力会社の労働者4千人のうち1049人を正社員化することで合意した。この非正規職労働者に対し、2014年にソウル地方裁判所が「不法派遣」と判断したためだ。労使合意によって起亜自動車は光州(クァンジュ)や京畿道華城・蘇原(ソハ)など3つの工場で二回にわたって700人あまりを正社員に転換した。すべて男性労働者だった。全体の不法派遣労働者のうち女性の割合は約20%にのぼるため、正社員採用された700人余りのうち、少なくとも140人は女性である必要がある。

 非正規職労組は「正規職労組が『女性正社員化』を妨げるのは組合員の利己心のため」と主張した。パク・チャンジン起亜自動車非正規職支会女性部長は「塗装・プラスチック・出荷部署など女性非正規職労働者がいたところが『正社員ポスト』になると、ここは男性正規職労働者が占めて、女性労働者は他の仕事をしろということ」だとし、「正規職労組が団体協約を根拠に女性新規採用者に『男性も難しい組立部署に行かなければならない』としたが、これは中年女性労働者は『出ていけ』ということに他ならない」と話した。

 これに対して正規職労組側のタク・ヒョンス雇用室長は「慣例によって労働強度が弱いポストが空けば組立部門の組合員を配置転換してきており、今回の特別採用(正社員転換)を契機に、既存の組合員の苦情解消のための転換配置を計画してきた。正社員に転換される塗装・プラスチック・出荷部署にも従来の慣例が適用されなければならない」と話した。

イ・ジヘ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/850172.html韓国語原文入力:2018-06-22 07:32
訳M.C

関連記事