本文に移動

行き場を失った釜山強制徴用労働者像

登録:2018-05-04 06:21 修正:2018-05-04 10:38
市民団体「総領事館の前がだめなら近くに設置する」 
東区「協議が終わるまで、現在の位置に置いておく」 
外交部「外交公館保護の国際慣行に沿って行われるべき」
今月3日、釜山東区草梁洞の日本総領事館の前で、市民団体が警察の過剰鎮圧を抗議している=キム・ヨンドン記者//ハンギョレ新聞社

 釜山(プサン)の市民団体が日本総領事館前に設置しようとした強制徴用労働者像が行き場を失っている。市民団体は日本総領事館の前に設置できないなら、近くに残したいという意見であり、政府は総領事館の近くも不適切だという意見だ。両者は協議する計画だが、平行線を辿る可能性が高い。

 3日、釜山強制徴用労働者像建設特別委員会は「今になって釜山市と東区(トング)側が労働者像の設置と関連して協議しようと言っている。しかし、他の場所に労働者像を移すつもりはない。ここに設置する計画だ。この問題と関連し、釜山市などと協議するつもりはない」と言い切った。現在、強制徴用労働者像は、日本総領事館前の平和の少女像から約40メートル離れた歩道の上に立っている。警察の1個中隊が労動者像を取り囲んでいる状態だ。

 この道路の管理を担当している東区側は、ひとまず市民団体の意思を尊重するという立場だ。今月2日、東区は「日本総領事館前の道路管理業務は東区に委任されているが、結局は外交部と釜山市が解決すべき問題だ。近いうちに外交部や釜山市と共に、市民団体と協議する方針だ。その時までは国民感情を考慮し、労働者像を移転せず、現在の位置にそのまま置いておく」と明らかにした。

 しかし、外交部は日本総領事館の近くに労働者像を置くことも適切ではないという立場だ。外交部は韓日間の外交紛争を懸念し、最初から日本総領事館前の設置に反対してきた。同日午後、ノ・ギュドク外交部報道官は定例会見で「労働者像の建立趣旨には共感するが、このような活動は関連法令と外交公館の保護関連の国際慣行に沿って行われなければならない」という原則的立場を再確認した。市民団体と外交部の間の意見が大きく分かれており、両側の協議が始まっても空転する可能性が高い状況だ。

 一方、強制徴用労働者像建設特別委員会は「先月30日から今月1日まで、労働者像の設置を試みる過程で、警察が暴力的に市民たちを鎮圧した」と批判した。建設特別委員会は同日、日本総領事館前で記者会見を開き、「1日、警察は労働者像を設置しようとする市民らを深さ10メートルの都市鉄道換気口の上に引きずり出し、店の大型ガラス窓の方に押し出した。大型惨事が憂慮される状況だった」と指摘した。

 これに対して、釜山警察庁は「今月1日の日本総領事館の近くでの集会は許可されていなかった。市民らが集会禁止区域に押し入ってきたため、これを阻止する過程でやむを得ず衝突が発生した」と釈明した。

キム・ヨンドン、キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/843136.html韓国語原文入力:2018-05-03 18:01
訳H.J

関連記事