チョ・ヒヨン・ソウル市教育監とパク・ウォンスン・ソウル市長が、ソウルの幼稚園および小・中・高校の教育環境改善のために、4年間で1兆889億ウォン(約1900億円)を投じることにした。机が並んで置かれた画一的な教室のかたちから抜け出し、学校を総合的にリモデリングしたり、スマート機器を活用する未来型教室を構築する。
ソウル市教育庁は16日、ソウル市新庁舎で「第2期教育庁-ソウル市、教育協力事業基本計画」を発表した。2期教育協力事業は、生徒の主たる生活空間である教室を一層創意的で安らかな空間にすることに注力することにした。
今回の基本計画は、4つのテーマ、36の協力事業からなる。まずスマート教育が活性化される未来社会に備えて、40校の学校を選定し14億ウォン(約1.4億円)を投じる。教室に無線LANを設置しスマートパッド機器を支援するなど「黒板のない教室」を作り、ソフトウェア教育が必須化された時期に備えることにした。
また、建築家と学校構成員が、デザインおよび設計に共に参加して、特色ある教室を作る総合的リモデリング事業も進める。例えば、韓屋村(伝統家屋街)にある学校は「韓屋型教室」を試みることができる。学校別に個性を込めた「私たちの学校個性化」色彩デザイン事業も4年間で128校を選定して110億ウォン(約11億円)を投じる。また132校を対象に古い机や椅子を変え、天井と床、ドアなどを改善する事業も進められる。4年間に投入される予算としてソウル市教育庁は7436億ウォン(約744億円)を、ソウル市は3453億ウォン(約346億円)を出すことにした。
1期教育協力事業で推進した事業もさらに拡大することにした。15年以上経過したトイレをなくす「老朽トイレ改善」事業を進め、668校の古いトイレをすべて変えることにした。ソウル市教育庁などは2014年から4年間、この事業を通じて小・中・高校800校のトイレを改善してきた。
安全で差別のない学校空間を作る仕事も今回の4カ年計画の主力事業の一つだ。学校建物の耐震率を現在の31.3%から4年間で54.1%に高め、学校給食に安全な食材料を供給するために、2021年までに遺伝子操作食品(GMO)のない安定的な調達システムを構築することにした。また、2020年から義務化された小学生の生存のための水泳教育を漢江(ハンガン)で行えるように、教育施設を構築する予定だ。労働人権教育、性平等教育もさらに拡大することにした。
ソウル市教育庁関係者は「幼稚園および小・中・高校2228校で103万人余りの児童生徒が生活するソウルは、少子高齢化で学齢人口が毎年減少していて、教師中心の講義式授業から生徒中心の個別化授業に変わらなければならない。そのためにも、学校や教室環境が新たに変わらなければならない」と話した。