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ヤン・スンドン氏、KBS社長就任…「権力と資本からの独立を宣言」

登録:2018-04-09 23:03 修正:2018-04-10 09:11
9日、韓国放送本館で就任式 
「私たちの失敗は、取材・製作の自律性の後退により起きた」
9日午前、ソウル汝矣島の韓国放送(KBS)本館で、ヤン・スンドン社長が就任の挨拶をしている=パク・ジュンヨン記者//ハンギョレ新聞社

 「韓国放送(KBS)の主権は市民と視聴者にあり、すべての権力は市民と視聴者に由来する」

 9日午前、ヤン・スンドン韓国放送新任社長は、ソウル汝矣島(ヨイド)の韓国放送本館で開かれた就任式で、職員と共に「権力と政治から独立する」と宣言した。この日の就任式は異例にも公開された空間である本館視聴者広場で開かれ、200人余りの構成員が参加した。これはコ・デヨン、キル・ファンヨンなど前任社長が構成員の抗議・デモを考慮して幹部らと小規模で就任式を開いたのとは対照的だった。

 ヤン社長は就任の辞で、過去10年間続いた「公正放送闘争」に言及した。2009年「社員行動」を率いて“罷免”措置を受けた(その後、停職4カ月に調整)経験を持つ彼は、「この席(視聴者広場)に立ってみると、9年前のある日を思い出す。私が罷免されたとして多くの先輩後輩がここに集まって、会社に抗議し私を応援してくれた」と話した。また、昨年からは構成員が141日間の「放送正常化」ストライキに立ち上がり、ソウル光化門(クァンファムン)で「リレー発言」闘争をしたことについて「ひどく寒かった昨年冬、私たちは光化門に立っていた。540人余りが240時間かけて懺悔の発言をした。そして誓った。一言でいえば『新しい韓国放送を作るということ』」と話した。

 彼は「過去10年の私たちの失敗は、取材・製作の自律性が後退して起きたことだ。ここにはっきりと約束する。私は、報道と製作についていかなる圧力も行使しない。政治権力や資本権力が皆さんを制約しようとするならば、先頭に立って防ぐ。また、もし幹部のうちの誰かが不当に取材・製作の自律性を侵害しようとすれば一罰百戒する」と話した。彼は約束した▽局長任免同意制▽編成委員会正常化についても早急に実現すると述べた。

 ヤン社長は「過去10年の誤りに対する責任の所在を明確にする」とし「場合によっては相応の責任も問う。政治的な理由で力を発揮できなかった有能な職員に、より多くの機会を与える。若い韓国放送を作るための世代交代も果敢に進める」と述べた。

 また彼は、外注製作会社との「共生」に注力するとして「極端な低賃金と殺人的な労働時間、差別的な処遇のような非正規職・外注製作会社に対する不当な慣行は必ず解決しなければならない」と明らかにした。また、社内性暴力問題について「絶対にやり過ごしはしない」と述べた。

 彼は「セウォル号カラオケ」に関連しても言及した。先月30日に開かれた人事聴聞会で、自由韓国党がヤン社長が2014年のセウォル号惨事当日にカラオケで彼のクレジットカードが決済されていたと攻勢をかけた。彼はこれに対して「金曜日(6日)に任命を受け、夜に一人で安山(アンサン)に行ってきた。ひどい目にあう覚悟をして行ったが、(遺族の方々が)とても暖かく接してくださって、身の置き場がなかった」とし「二度と子どもたちが無念な死を迎えないよう、大韓民国のために公営放送が自らの役割をつくせるようにすると誓った」と話した。

 理事会の任命推薦と国会の人事聴聞会を経て、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は6日にヤン社長を最終任命した。ヤン社長は、コ・デヨン前社長の残余任期である11月23日まで韓国放送を率いることになる。

パク・ジュンヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/media/839733.html韓国語原文入力:2018-04-09 13:54
訳J.S

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