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故尹伊桑氏、灰となって49年ぶりに帰国

登録:2018-02-26 05:30 修正:2018-02-26 11:40
統営国際音楽財団代表25日、ドイツから尹先生の遺骨持って来て 
妻のイ・スジャ氏、夫の遺骨を慶尚南道統営公設捧安堂に臨時安置 
来月30日、統営国際音楽堂の裏庭に安置する予定
韓国が生んだ世界的音楽家、故尹伊桑氏の生前の姿。ドイツのベルリンに埋葬されていた彼の遺骨が25日、慶尚南道統営に戻った=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓国が生んだ世界的音楽家、故尹伊桑(ユン・イサン)氏(1917~1995)が、1969年にスパイの濡れ衣を着せられて韓国から追い出されるように離れてから49年ぶりに、1995年にドイツで亡くなってから23年ぶりに、帰国を果たした。彼の遺骨は慶尚南道統営(トンヨン)追悼公園にしばらく安置されてから、来月30日に「海が見下ろせて波の音が聞こえる」統営国際音楽堂の裏庭に埋葬される予定だ。

 統営市と統営国際音楽財団などは25日、「フロリアン・リイム統営国際音楽財団代表が、ドイツのベルリンのガトウ霊園に埋葬されていた尹伊桑先生の遺骨箱を持ってきて、25日午後3時30分に尹先生の妻のイ・スジャ氏(91)に渡した。統営市追悼公園で夫の遺骨を引き渡された妻のイ・スジャ氏は、追悼公園内の公設捧安堂に遺骨箱を臨時安置した」と明らかにした。

 同日、尹氏の遺骨箱の引き渡しと安置は万が一の事態を考慮し、非公開で行われた。妻のイ・スジャ氏は「亡夫の遺骨を返してもらえて、とても感謝している。もう死んでも思い残すことがないくらい嬉しい」として、フロリアン・リイム代表に感謝の意を表した。

 これに先立ち、フロリアン・リイム代表と尹氏の娘、ユン・ジョン氏(63)などは、ドイツに渡り、今月23日にベルリン・ガトウ霊園に埋葬されていた尹先生の遺骨を掘り出した。フロリアン・リイム代表は25日遺骨箱を持って帰国し、娘のユン・ジョン氏は今月28日に帰国する予定だ。

 尹氏の遺骨は2018統営国際音楽祭の開幕日である来月30日午後2時、統営国際音楽堂の裏庭に埋葬される予定だ。場所は「海が見下ろせて波の音が聞こえる所」を希望していた尹氏の意思に沿って用意された。墓地は「小さくて素朴に作ってほしい」という遺族の意向により、100平方メートル以下に造成し、墓は封墳することなく平葬する。小さなお膳の大きさの自然石の追悼碑には故人の名前と生没年月日だけが刻まれる予定だ。

 尹伊桑氏は、ドイツを拠点として音楽活動を展開していた1967年、いわゆる「東ベルリン事件」に巻き込まれ、2年間の懲役に服した後、1969年に追い出されるようにしてドイツに戻った後、結局韓国に再び足を踏み入れられないまま、1995年に永眠した。彼の遺骨はドイツ・ベルリンのガトウ霊園に埋葬されていたが、昨年の尹伊桑誕生100周年を迎え、韓国への帰国が進められ、最近ベルリン市が移葬を許可したことで実現した。

チェ・サンウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/833619.html韓国語原文入力:2018-02-25 21:04
訳H.J

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