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女性の映画関係者、10人のうち1人が「望まない性交渉要求された」

登録:2018-02-07 08:07 修正:2018-02-08 23:34
-映画人の性平等環境造成に向けた性暴力実態調査- 
相次ぐ性暴力事件に、昨年映振委・女性映画人会が取り組み 
演出・俳優・スタッフなど749人…映画界初の実態調査 
直接経験20%「望まない性的接触」、26%「デート強要」 
「映画界に性暴力が蔓延」、被害者らの主張が数値で初めて立証 
フリープロダクション段階で多く被害…「甲乙関係の性暴力」 
イメージ毀損やキャスティング排除の恐れで問題提起できず
直接被害経験の累計(10%以上基準、高い順//ハンギョレ新聞社

 俳優、演出、作家、スタッフなど映画界に従事する女性の10人のうち1人が「望まない性関係の要求を受けた経験」があることが分かった。望まない性的接触を強要されたという割合も20%に達した。

 このような事実は、映画振興委員会(映振委)と女性映画人会などが手を組み、昨年6~10月まで映画業界従事者の各職群計749人を対象に実施した「映画人の性平等環境造成に向けた性的暴力(性差別)実態調査」で明らかになった。映振委は昨年、映画界の性暴力問題が相次いで発生したことを受け、対策作りに向けた実態調査に取り掛かった。映画界で国費を投じて公式的な「性暴力実態調査」を行ったのは初めて。最終報告書は今年3月初めに発表される予定だ。

 ハンギョレが単独入手した「実態調査中間結果報告書」によると、セクハラ・性暴力に対する直接経験を問う質問に、女性11.5%(男性2.6%)が「望まない性関係を要求された経験がある」と答えた。また、19.0%(男性9.7%)が「望まない身体接触をしたり、身体接触をするよう強要された経験がある」と回答した。「私的に会うことやデートを強要された」という割合も26.2%(男性10.9%)、外見に対する性的評価やわい談を受けた人は35.1%(男性20.3%)、酒を注いだり横に座るよう強要された経験をした割合は29.7%(男性15.0%)にもなった。「映画界にセクハラと性暴力が日常的に起っている」という被害者たちの証言が、数値で証明されたわけだ。

事件発生場所//ハンギョレ新聞社

 セクハラ・性暴力を目撃したという回答も多かった。わいせつな話(以下男女全体31.0%)、酒席の強要(24.5%)、胸など身体部位の凝視(23.7%)、デートの強要(13.0%)を目撃したケースも多かった。間接的にセクハラ・性暴力の経験を聞いたことがあるという回答ははるかに多かった。「望まない性関係の要求を受けた事例を聞いたことがある」という回答者の割合は39.0%に達した。デートの強要(40.1%)、わいせつな話(43.4%)、性的な事実関係や性的指向をしつこく尋ねたり、意図的に流布(36.8%)する事例を聞いた経験は一度や二度ではなかった。

 加害者の性別は91.7%で、男性(女性7.9%)が圧倒的だったが、最近発生した「L監督事件」のように女性・女性の同性間性的暴力も5.4%だった。

 事件が発生した所は酒席・会食が57.2%で圧倒的だった。外部の打ち合わせなどの関連外部場所(25.1%)、撮影現場(21.4%)が続いた。事件が起きる段階を見ると、フリープロダクション(企画準備段階)が52.7%で半分を超えた。映画入門段階も21.4%だった。撮影が本格的に始まる前、仕事を口実にした「甲乙関係(関係上上位にいる者が下位にいる者を圧迫すること)の性暴力」が多いという点を推測できる部分だ。

事件発生段階//ハンギョレ新聞社

 しかし、被害が発生した時、積極的な対応をするケースは少なかった。56.6%は「問題だと感じたが我慢」し、39.4%は「知らないふりをして避けた」と答えた。「大声を出したり周りの助けを求めた」という回答は0.7%に過ぎなかった。積極的に対処できなかった理由について、34.9%は「やり過ごすのが最も良い方法だと思い」と回答し、「業界内のうわさや評判に対する恐れ」(31.1%)、「キャスティングや業務遂行から排除されることを恐れて」(26.6%)がその後に続いた。問題を提起しても受け入れられなかったり、かえって被害を受けることになるという恐れが積極的な対応を妨げる原因であるわけだ。

 映画界の性暴力の解決意志についても不信感が強かった。「以前の事件が適切に処理されなかった」という回答が80.6%、事件に積極的に対処する組織文化がないという回答も67.9%に達した。

ユ・ソンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/movie/831160.html韓国語原文入力:2018-02-06 23:06修正:2018-02-07 00:20
訳M.C

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