南北が平昌(ピョンチャン)冬季五輪(2月9~25日)を祝う合同文化行事を五輪開幕前に、金剛山(クムガンサン)地域で開くことで合意したことで、行事の性格と内容に関心が集まっている。特に、政府が文化界はもとより市民社会と宗教界の関係者まで参加させる意思を表明しており、今回の行事を機に南北民間交流の扉が開かれる可能性が注目される。
18日、統一部内外の説明を総合すると、演奏会と詩の朗読など文学行事をまとめた総合芸術公演で用意される今回の金剛山行事は1月末から2月初めの間に行われるものとみられる。これに先立ち、チョン・ヘソン統一部次官は17日の南北実務会談を終えた後、「オリンピックの開幕が間近に迫った時期には様々な関連行事があるため、(合同文化行事は)それより少し先に開催する」と述べた。
南北は金剛山で何度も共同行事を進めた経験がある。2002年10月には南と北、海外から集まった女性約700人余りが金剛山で「6・15共同宣言実践と平和に向けた南北女性大会」を開き、合同芸術公演と手芸・美術展示会などの文化行事を開いた。2003年2月には金剛山陸路観光のテスト事業を祝う詩の朗読と南北声楽家の公演も開かれた。また、2006年4月には尹伊桑(ユン・イサン)平和財団創立1周年を記念する音楽会が開かれた。
行事の内容について政府関係者は「民謡などの伝統様式の公演をはじめ、詩の朗読のように早く準備できるプログラムが組まれる可能性が高い」と伝えた。詩の朗読の場合、ト・ジョンファン文化体育観光部長官が詩人であるうえ、これまで南北交流イベントでよく登場しただけに、採択される可能性が高い。南北統一を念願した芸術家の故尹伊桑氏の作品が上演される可能性もある。
具体的な日程は23~25日、南の先発隊が北朝鮮入りし、現地施設を点検した後、南北協議を経て確定される見通しだ。現在としては金剛山温井閣周辺に定着した金剛山文化会館が公演場として活用される可能性が高い。1999年2月に完工されたこの建物は620席の公演施設で、金剛山観光が盛んな時に、平壌モランボン巧芸団の公演場として活用された。
金剛山地域の宿泊条件などを考慮し、政府は今回の行事を「日帰り」にすることを北側に提案した。従って韓国側の参加団の日程は、以前「金剛山日帰り観光」に準じて作成されるものと見られる。行事前日夜、江原道高城(コソン)で1泊した後、早朝東海(トンヘ)線南北出入事務所を経て、金剛山地域に入り、行事を終えて帰ってくる方式だ。
チョン・ヘソン次官は「行事に参加する対象は、文化・芸術団体の関係者、スポーツ界の関係者、市民・社会団体、宗教界の関係者らになるだろう」と明らかにした。今回の行事が停滞していた南北民間交流のきっかけになり得るということだ。
57の民間対北朝鮮支援団体で構成された対北朝鮮協力民間団体協議会のチェ・ヘギョン運営委員長は「南北交流の接触面を広げること自体が意味のある時期」だとしたうえで、「北側の関係者に会う機会が生じることを期待している」と話した。