慰安婦記録の登載には挫折したが、韓国は史上初の世界遺産3大目録への登載という“グランドスラム”の快挙を成し遂げた。
栄光を手にした主役は、朝鮮王室の霊廟であるソウルの「宗廟」(チョンミョ、国家史跡)だ。宗廟神室に安置された御宝と御冊が31日、ユネスコ「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登載されたことにより、宗廟は建物、祭礼、所蔵品がユネスコの世界遺産3大目録にそろって上がることになった。宗廟は正殿などの主要建物が1995年に世界文化遺産に登載されたのに続き、音楽・踊り・飲食を含む宗廟祭礼が2008年に人類無形遺産目録に登載され、今回は神室に安置された御宝331点と御冊338点が登載され、これまで世界のどの文化遺産も果たせなかった高地に上がった。御宝と御冊は1411年から最後の皇帝である純宗の妃の純貞孝皇后が亡くなった1966年までに作られた朝鮮王室600年の歴史の中心的な記録物。御宝は金、銀、玉で作られた儀礼用印鑑で、王と王妃の死後に称号を上げたり王妃・世子(跡継ぎ)などを冊封する時に作られた。御冊は世子、世子嬪、王妃、嬪(後宮)などを定める時に竹や玉に刻んだ宣言文(教書)を意味する。
同時に登載された朝鮮通信使記録物と旧韓末国債報償運動記録物も歴史的意味が大きいという評価だ。通信使は1607~1811年に日本の武士政権である幕府の要請で12回派遣した外交使節だ。登載された関連記録物は111件、333点で、通信使が韓国と日本の主な経由地に遺した外交文書と絵や詩文など文芸交流の産物を含む。国債報償運動記録物は、1907~1910年に大邱(テグ)を中心に繰り広げられた国家負債返還運動の関連資料2472件を網羅したもので、韓国の世界記憶遺産のうち唯一の近代遺産だ。