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保守政権時代に肥大化した検察公安部、手術台に上がるか

登録:2017-07-22 04:00 修正:2017-07-22 07:42
公安予算、最近4年間で20%増加 
盧武鉉政権時代に組織が縮小された後再び拡大 
選挙・労働まで担当し政治的に悪用されたとの批判も 
保安法違反事件の無罪が28%まで上がり 
 
「人権侵害など弊害清算の対象」との指摘も 
パク・サンギ法務長官の対処に注目集まる
李明博、朴槿恵政権の9年間に組織と予算が肥大化した検察の公安部の縮小・廃止が関心を集めている//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パク・クネ)政権末期から一線の警察署保安課が急増したことが明らかになったのに続き、李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵政権の9年間で、検察公安部組織が肥大化し、予算も増えたことが確認された。市民団体や政界が「縮小・廃止論」を提起してきており、文在寅(ムン・ジェイン)政権と新任のパク・サンキ法務部長官がどのような態度を示すかに注目が集まっている。

 20日、共に民主党のチョン・ソンホ議員室が法務部から入手して分析した資料によると、朴槿恵政権が発足した2013年に51億ウォン(約5億700万円)だった公安予算は徐々に増え、今年初めには61億ウォン(6億700万円)に20%ほど増えた。このような予算の増加推移は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に減った検察の公安部が再び拡大された状況とも関連がある。盧武鉉政権は2014年12月、最高検察庁・公安3課とソウル中央地検と蔚山(ウルサン)地検を除いた全国15の検察庁公安課を廃止した。しかし、李明博政権が発足してから最高検察庁公安3課が再び復活し、朴槿惠政権はソウル中央地検に公共刑事捜査部(2012年)と議政府(ウィジョンブ)地検に公安部(2015年)を新たに設けた。

 検察の一部では、公安部が対共・テロ事件だけでなく、選挙・労働事件まで担当しており、「公共の安全」のため、公安部の規模拡大が避けられなかったと主張されてきた。しかし重要な事案の度、検察公安部が政治的に悪用されてきたという批判の声も少なくない。

 現政権発足とともに設置された国家情報院の積弊清算TF(タスクフォース)が調査すると発表した13件の事件のうち、北方限界線(NLL)関連の首脳会談対話録の公開の捜査や国情院コメント事件、ソウル市公務員スパイ捏造事件、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長制圧文書の捜査、国情院「左翼梟首」ペンネーム事件など、相当数は検察の公安部が担当したものだ。

 特に、検察の公安事件のうち、国家保安法の事件は、とりわけ無罪率が高いものと集計された。最高裁判所から受けた「国家保安法違反事件の1審判決における無罪率」を分析した結果、2012年から5年間の平均無罪率は16.6%だった。2012年16%だった無罪率は2013年15%に若干減少したが、2014年には28%まで増えた。2014年基準で全国の検察の平均無罪率が0.58%であることに比べると、非常に高い割合だ。ある検察関係者は「盧武鉉政権以後、保守政権が発足しながら、政権の影響で国家保安法事件の起訴率が増えたことは確かだ」と話した。チョン・ソンホ議員は「保守政権9年間、公安部が人権侵害・労働弾圧など積弊の清算対象に転落した」としたうえで、「公安部組織と機能に対する全面的な再検討と共に、過去の政治的目的のため、起訴・捜査権が悪用された公安事件に対する真相究明が必要だ」と指摘した。

 これに先立ち、パク・サンギ法務部長官は先週、人事聴聞会で公安部の縮小について「国内外の安保状況と全世界的なテロ脅威などに備えるための公安組織の重要性と、過去の人権侵害をめぐる議論などを総合的に考慮し、問題点を改善する」と述べた。

ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/803741.html 韓国語原文入力:2017-07-21 05:01
訳H.J(1621字)

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