登録 : 2017.01.25 00:18 修正 : 2017.01.25 13:35

事前削減実績5139万トンを認めるなど 
今年の割り当て量を6800万トン増やすことに 
企業の排出量600万トン余るにもかかわらず 
取引市場の不均衡を理由に 
専門家「企業に不当利益を与えるようなもの」

左から韓国の温室効果ガス排出量の変化(単位:トン)と2017年の排出割当量(単位:KAU<韓国排出権取引単位=二酸化炭素1トン>、資料:企画財政部)//ハンギョレ新聞社
 政府が今年で満了する第1次温室効果ガス排出権取引制の計画期間中に、企業に割り当てる排出権の総量を、当初の15億9773万トンから16億1474万トンに1701万トン増やすことにした。排出権総量の増加に伴い、温室効果ガス削減に向けた企業の負担が減るが、大気中への温室効果ガスの排出はその分増え、気候変化への対応も後退することになった。

 政府は24日に国務会議を開き、排出権総量の拡大分1701万トンと、取引制度施行以前の早期削減実績認定分約5139万トンを合わせて6800万トンの温室効果ガス排出権を追加で割り当てる内容の「排出権取引制度第1次計画期間(2015~2017)3次履行年度排出権割り当て計画」と2018年から2020年まで適用する「第2次排出権取引制度の基本計画」を議決した。

 温室効果ガス排出権国内取引制度は、温室効果ガスを一定量以上排出する企業に政府が排出権を配った後、割り当てられた排出権の範囲内で温室効果ガスを排出し、排出権の過不足分は市場で売買できるようにすることで、国家全体としてコスト面で最も効率的に温室効果ガス削減を実現させるという趣旨の制度だ。この制度は「キャップ・アンド・トレード」と呼ばれていることからも分かるように、成功するためには「キャップ」、すなわち厳しい排出権総量の上限量維持が不可欠だというのが専門家たちの説明だ。割り当てられる排出権が実際に必要とする量よりも足りない状態でなければ、企業が削減に向けた行動や排出権の購入に乗り出さない恐れがあるからだ。

 政府が今年追加で割り当てることにした排出権6800万トンのうち、約5139万トンは排出権の総量に影響を与えるものではない。市場安定化処置や早期削減実績の認定、新たに排出権国内取引制度の適用対象になる企業や施設などを考慮してすでに取っていた予備分約8882万トンの一部で、総量に含まれているからだ。しかし、1701万トンの追加割当は、総量に含まれていない純粋な追加割当であり、温室効果ガス排出権の総量がその分増えることになる。企業がそれだけ温室効果ガスを多く排出できるようになったのだ。

 政府はこのように排出権の総量を増やすことになったのは、国家温室効果ガス削減目標を反映して行われた処置だと説明している。政府は2015年6月、国連に「2020年までに排出量の予測値(BAU)に比べて30%削減」から「2030年までに排出量予測値より37%削減」に修正した温室効果ガス削減目標を提出し、「従来の計画より進展した内容」だと発表した。しかし政府は、今回の措置で、新たな温室効果ガスの削減目標の下で企業に温室効果ガスをさらに排出することを認めた。今までの政府の説明とは裏腹に、今回の温室効果ガス削減目標が、前回の削減目標よりも後退したことを端的に示している。

 政府は、排出権を追加割り当てするようになった理由として、国内排出権取引市場の需給の不均衡を挙げている。しかし、これは、排出権の絶対量が不足しているためではなく、排出権に余裕のある企業が市場に出さず、保有しているからだ。実際、政府は2015年現在の排出権取引市場の総排出権数量は5億4900万トンである反面、企業の実際の排出量は5億4300万トンで、市場全体では600万トンの排出権の余裕があったと明らかにした。

 気候変化行動研究所のアン・ビョンオク所長は「政府が排出権を過度に割り当てたことで、混乱を来している欧州連合の例を目の当たりにしながらも、同じ道を歩んでいる。排出権の追加割当ては一部の企業に不当に利益を与えるだけでなく、第1次計画期間後に持ち越される排出権を増やし、排出権取引制を通じた温室効果ガスの削減をさらに困難にするだろう」と指摘した。

 政府はこれまで、企業各社に全量無償で割り当てていた排出権を、2018年からは3%まで競売方式による有償割当に転換し、その収入をエコ分野への投資財源として活用する計画だ。企業の過去の排出実績を基準にしてきた割り当て方式も、エコ分野への投資を通じて温室効果ガスを事前に削減してきた企業に有利に変えることにした。企業が海外での削減努力を通じて確保した排出権の取引可能時期を2021年から来年に繰り上げ、排出権取引制の適用対象ではない企業や施設で削減した量も排出権として認めることにした。

キム・ジョンス、チョ・ギェワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr ) )

韓国語原文入力:2017-01-24 19:34
http://www.hani.co.kr/arti/society/environment/780107.html 訳H.J(2047字)

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