原文入力:2009-08-10午後07:30:54
[ヒョン・ジョンウン会長 訪北]
クリントン訪北が決定的…南側 批判世論意識も
金剛山・開城観光 中断, 開城工業団地危機など難題
ソン・ウォンジェ記者
←ヒョン・ジョンウン現代グループ会長一行が乗った乗用車が10日午後、京義線道路を通り平壌に行くために京畿坡州南北出入り事務所(CIQ)で軍関係者の案内を受けている。 坡州/キム・ギョンホ記者jijae@hani.co.kr
ヒョン・ジョンウン現代グループ会長の10日平壌訪問で梗塞した南北関係に風道がひらくか注目される。
ひとまず南北関係を押さえ付けてきた現代峨山職員O氏抑留問題は解決できるものと見られる。北側がヒョン会長の訪北要請を受け入れたことからO氏問題はこれ以上引っ張らないという意思表示と見られるためだ。
北側がO氏問題解決側に糸口をつかんだのは、去る4日ビル・クリントン前米国大統領の北韓訪問が主要契機になったものと見られる。クリントン前大統領はこの時、金正日国防委員長に直接O氏とヨナン800号船員らの釈放を要請した。北側も米国女性記者に続きO氏問題まで妥結することにより以後の北-米対話構図進入に友好的な条件造成に出る必要性が大きくなったわけだ。北韓刑事訴訟法にともなうO氏調査期限が10日で満了時点を迎えた点、米国人と異なりO氏は継続つかまえていることに対する南側の批判世論が大きくなった点も北側がO氏問題をさらに引っ張ることを難しくする要因として作用したと見られる。
ただし北側は米国女性記者釈放の時と同じように南側当局次元の謝罪と再発防止を要求する可能性が高い。南側当局が一定の遺憾を表明しこういう事態が再発しないように南北が共に努力しようという程度の中立的メッセージを出す線で調整がなされうる。
←現代峨山職員抑留および協議経過
O氏問題解決が南北関係の全面的な正常化に入る‘入口’になるかはまだ展望しにくい。O氏問題でなくとも南北は金剛山・開城観光中断,開城工業団地通行制限,当局次元の対北支援中断など難題が山積みだ。この内、ヒョン会長が優先的に北側と協議できる懸案は現代峨山が事業者である金剛山・開城観光の再開だ。金剛山は南側が、開城は北側が各々中断させた。南側当局は金剛山観光客被撃死亡事件の真相究明と再発防止を、北側は6・15と10・4宣言の履行を要求している。
ヒョン会長がこの問題と関連した実効的解決方案を用意して帰ってくるならば、南北関係改善の画期的な転機が用意されうる。しかし、原則的な協議に止まるならば南北関係は今後も当分の間、小康状態をむかえることになる可能性が大きい。どちらになるかを計ってみる定規は、ヒョン会長の金正日国防委員長面談の可否にかかっているものと見られる。現代グループ関係者は「金委員長面談計画などはあらかじめ決まっていない」としつつも「去る2007年10月末、元山で白頭山観光事業について合意した時も‘現地調査しに行く’として行き、良い成果を持ってきた経験がある」と期待を表わした。
北側のヒョン会長招請はひとまず南北関係を管理モードに引っ張っていくという意志の表われと分析される。全面的‘通米封南’よりは‘通米の中での制限的通南’を通じて実利を得るという意とも読まれる。しかし、民間次元の経済協力は維持するものの当局とは対立を継続する‘通民封官’構図になるのか、当局間関係まで解く側に進むかは南側当局の態度を見守って決める可能性が高い。北側は特にイ・ミョンバク大統領の8・15祝辞にどんな内容が込められるかを優先的に注目するものと見られる。
ヤン・ムジン北韓大学院大学校教授は「南北関係が梗塞した状況でヒョン会長の訪北は南北対話が再開される契機になりうる」として「これを更に進展させることは南側当局の意志にかかっている」と話した。南側が国際的対北制裁維持を強調し北に現金が入る‘金剛山観光再開不可’方針を維持したり、対北人道的支援再開にもたもたするなど既存の冷戦的態度を守る場合、せっかくの‘解氷’機会をうまく活用できないこともあるという指摘でもある。
ソン・ウォンジェ記者wonje@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/370508.html 訳J.S