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朝米、米大統領選挙後に備えて「非公式の探索的対話」

登録:2016-10-24 00:06 修正:2016-10-24 07:27
韓国「対北朝鮮制裁は継続」神経尖らせる
米国と北朝鮮の非公開接触が行われた今月22日、マレーシアのクアラルンプールのあるホテルで、北朝鮮のチャン・イルフン国連次席大使(右)とジョセフ・デトラニ・元米6カ国協議次席代表(左)が、それぞれ記者たちと会話している/聯合ニュース

 北朝鮮のハン・ソンリョル外務次官がロバート・ガルーチ元米国務省北核特使などとマレーシアのクアラルンプールで21~22日、非公開・非公式接触を終えて帰国の途についた。ハン次官は「関心事になっている問題について意見を交換した」として、今回の接触が11月8日に行われる米大統領選挙後の新しい政権の発足を念頭に置いた「探索的対話」の性格が強いことを示唆した。レオン・シーガル米社会科学院北東アジア安保協力局長は、「聯合ニュース」に「北朝鮮の核とミサイル問題を重点的に議論した」としたうえで、「一部では進展があったと思う」と話した。

 韓国外交部は23日、「米国政府は今回の協議が米政府とは全く関係ないと説明している」として、今回の接触の意味を否定した。さらに、「北朝鮮がトラック2(民間レベル)の会議にも現職の当局者を派遣するのは、国際社会の前例のない対北朝鮮制裁と圧迫による外交的孤立を示すものだ。韓米両国は強力な対北朝鮮制裁と圧力を続けていく」として、神経質な反応を見せた。

 今回の接触は、国際学術会議などを名分にしたこれまでの朝米「トラック2」対話とは異なり、純粋に両国レベルの対話であるのに加え、双方とも相手をよく知っているベテランらが前面に出た。北朝鮮側からは外務省の代表的「米国通」であるハン次官をはじめ、チャン・イルフン国連次席大使など5人が、米国側からは1994年、朝米ジュネーブ基本合意の主役であるガルーチ元特使のほかに、ジョセフ・デトラニ・元米国家情報局(DNI)不拡散センター所長など、元当局者と複数の専門家が出た。

 米国側の関係者は、バラク・オバマ政権はもちろん、大統領選挙の勝利が確実視されているヒラリー・クリントン民主党大統領選候補側からも「交渉権限の委任」を受けていないと伝えられた。ある専門家は「クリントン側もまだ北朝鮮との直接接触に非常に慎重な態度を見せている」としながらも、「(ガルーチ氏などが)大統領選挙後に構成される政権引き継ぎチームに、今回の協議結果を伝えて次期政権の朝鮮半島政策の立案に影響を与えようとするもの」だと指摘した。実際に、レオン・シーガル局長は「米国の新政権は、対北政策を再検討しなければならないだろう」とし、「我々は政府外の人物として新たな政権に提案できる関連事項を探っている」と話した。

イ・ジェフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/766928.html 韓国語原文入力:2016-10-23 20:15
訳H.J(1256字)

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