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“中2病” “給食虫”…「青少年ヘイト」が膨らむ韓国社会

登録:2016-10-18 01:48 修正:2016-10-21 00:23
青少年をいじめる映像、「給食虫」のギャグ 
立ち入り禁止、強制退出を掲示した店も現れ 
「10代に対する恐怖」英単語の新造語も 
 
未熟な存在として見る年齢文化に加え 
マイノリティ、弱者へのヘイト拡散現象のため

 「お笑い番組で10代がよく使う流行語を『給食体』と冷やかし、小中高校生を『給食虫』と皮肉って笑うんです。青少年全体を卑下するヘイト文化だと感じます」(ユンソ)「小学生のラーメンを奪って食べ頭を叩いて逃げる映像や、インターネットカフェで中学生のパソコンを消して逃げる映像がネットにアップされるとヒット数が高く、『いいぞ』という書き込みが上がります」(チュンヨン)

 17日午後、ソウル麻浦(マポ)区のある教育市民団体の事務所に、「青少年の人権感受性向上の会」という名前で青少年と非青少年23人が集まった。年齢や学生かどうかを問わず、それぞれがつけた「活動名」で互いに呼び合い、「これも青少年ヘイトだろうか」「さまざまなヘイト文化の中の青少年」などを話題に対話を交わす場。「最近の子どもたちは…チッ」「お前は大人になったら何になるつもりなんだ」というように、差別的な言葉とは意識せずに使われている言葉から、「中2病」、「給食虫」、「チョグリング」のような新造語まで、それぞれが書いた「私が聞いた青少年ヘイト表現」のメモを見せると場が盛り上がった。

青少年ヘイトの新造語・俗語および表現//ハンギョレ新聞社

■青少年ヘイトとは何か

 最近、韓国社会でマイノリティや弱者を嫌悪する文化が広がる中、年齢による序列文化の一番下にいる19歳以下の青少年に対する差別と排除も深刻だという声が上がった。“ファルバナ”は「大人は、お小遣いを貯めて考えに考えて買った物を下らないと言って無視し、私がもらったお年玉を親が取り上げてしまう。青少年はお金の価値を知らないということを前提にしている」と指摘し、「青少年を未熟で判断力のない存在、一人の人格として認めない文化が『青少年ヘイト』だと思う」と話した。“ナンダ”は「ソウル市が運営する公共自転車『タルンイ(チリリン)』ができたが、満15歳からしか利用できず、満19歳未満は親の同意を得て会員加入しなければならない」と言い、「青少年が一番自転車を多く利用する年齢なのに、タルンイの利用を妨げることは、青少年を社会構成員として認めないという意識が反映されたもの」と話した。最近は「チョディン(小学生を卑下する呼び方)出入り禁止」、「チュンコディン(中高生を卑下する呼び方)騒げば強制退出」などと書いて掲示する店まで出現したと参加者たちは伝えた。

 警察の放水に撃たれ先月25日に死亡した故ペク・ナムギ氏の葬儀場でも、年齢を取り上げての衝突が発生したという。不当な公権力に抗議して葬儀場を守る市民のうち、一部の中年男性らが青少年に向かって「何歳だ?」とぞんざいな言葉遣いをし、タバコを吸うなと警察を呼んだとのことだ。その場にいたという“ソオン”は「このことを目撃した後、フェイスブックに『青少年ヘイトに反対する』という内容の書き込みを上げたところ、かなりの反響があった」と話した。

■誰が青少年ヘイトをつくるのか

 誰が青少年ヘイトをつくり、拡散させているのか。“ドゥヨ”は「20歳になって3カ月たったばかりの友達が、図書館で『コディン(高校生)のせいでうるさい』とSNSに書き込むのを見た。青少年から脱したばかりの人が、これまでの抑圧を噴出するかたちで『自分はもう未熟じゃない』という意識を積極的に表現し、青少年ヘイトの主体となる」と話した。“ユンスリ”は「教育者を育成する教育大学や師範大学で『体罰は必要か』をめぐって討論する。暴力は誰にとっても不当なのに、青少年に対する暴力はまるで教育の一部であるかのように考えることも、青少年を人格として見ない青少年ヘイトの一種」だと主張した。このような「青少年ヘイト」に対する批判談論は、いま議論がまさに芽生えている段階だ。ツイッターに7月に作られた「青少年ヘイト指摘アカウント」という名前のアカウント(@Ephebiphobiaout)は、1088人のフォロワーを保有している。「若者や10代に対する恐怖」という意味の「エフィビフォビア(Ephebiphobia)」は、英文ウィキペディアにも記載されている。

 師範大学生の“ヒョンジ”は「青少年ヘイトをまき散らす人は、女性、障害者、マイノリティ、青少年に対して『保護すべき対象』という論理を展開すると同時に『保護を受ける無賃乗車者』という烙印を捺している」と話した。参加者の“30代男性”は「これまで年齢に対する差別は、全年齢に対して該当する年齢に相応しい人となりを要求する程度だったが、最近出てきた青少年ヘイトは青少年という特定の集団を攻撃し、14歳未満は刑事処罰を受けないという刑法など青少年に恩恵を与える制度や法をなくせと主張するのが特徴」と話した。

キム・ミヒャン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/766077.html 韓国語原文入力:2016-10-17 22:16
訳M.C(2160字)

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