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北朝鮮「宇宙征服の活路切り開く」…党創建日前後に「衛星発射」可能性

登録:2016-10-10 00:46 修正:2016-10-10 07:57
北朝鮮代表、国連で「宇宙開発5カ年で衛星ロケット開発」 
38ノース「東倉里・豊溪里で、『何らかの活動』観測」 
政府当局「見極めなければならないが、"ショー"ではなさそうだ」
北朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が先月20日に報道した「新型静止衛星運搬ロケット用の大出力エンジンの地上噴出試験」場面。このエンジン試験は、北朝鮮が今年2月7日に発射した長距離ロケット「光明星」号関連の後続技術を開発するためのものと見られる//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が朝鮮労働党創建記念日(10日)を控えて「宇宙征服の活路をさらに力強く切り開いていく」と、国連の舞台で明らかにした。 党創建71周年を記念する大規模な行事や軍事・武器パレードを準備している動きは捉えられていないものの、平安北道の東倉里(トンチャンリ)ロケット発射場と咸鏡北道豊渓里(プンゲリ)核実験場周辺で「何らかの活動」が見られるとの分析もある。

 北朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は8日付で「朝鮮(北朝鮮)代表は6日、国連総会第71回会議1委員会(軍縮・国際安全担当)で、10大宇宙国の一員として国際的な規定と慣例に合致するよう、透明性を最大限保障し、宇宙征服の活路をさらに力強く切り開いていくことを宣言した」と報じた。北朝鮮代表は、会議で「宇宙の平和的利用はすべての国の合法的かつ奪われることのない自主的権利」だと強調したが、これは北朝鮮当局の公式見解を再確認したものである。同紙のこのような報道は、党創建記念日と相まって、北朝鮮が長距離ロケットを活用した人工衛星の打ち上げ計画を示唆したものと見られる。衛星の打ち上げは、弾道ミサイルの推進ロケット技術に基づいている。

 北朝鮮代表は「最近、新型静止衛星の運搬ロケット用大出力エンジンの地上噴出試験が成功的に行われ、国家宇宙開発5カ年計画期間に静止衛星の運搬ロケットを確実に開発できる科学技術的基盤が整った」と明らかにした。北朝鮮は5回目の核実験(9月9日)直後の9月20日に「新型静止衛星運搬ロケット用エンジンの地上噴出試験」に成功したと主張した。北朝鮮代表は「我々の核武装は国家路線」だとしたうえで、「帝国主義の核の脅威と専横が続く限り、自衛的な核武力を質・量的にさらに強化していく」として、従来の公式見解を再確認した。

 北朝鮮側のこのような発言は、党創建記念日を控えてロケット発射場と核実験場周辺で何らかの活動が捉えられている中で出た点で注目される。米国の北朝鮮専門メディア「38ノース」は8日、今月1日(現地時間)に撮影された衛星写真を分析した結果、東倉里西海(黄海)ロケット発射場で運搬用の箱や車両が捉えられたと報じた。また、ロケットエンジン試験場付近では移動型の目隠し用大型構造物が確認されており、エンジン試験場で何らかの活動が行われているものと分析された。ただ、38ノースは、ロケット発射台周辺にも目隠しフェンスが設置されているため、長距離ロケットが発射台や組立用の建物に移されたかどうかを把握するのは難しいと付け加えた。38ノースは7日、豊渓里核実験場の坑道入り口3カ所で、車の移動などが相次いで見られており、核実験を準備している可能性もあるが、断定はできないと説明した。

 政府は、一応北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射の可能性が高いと判断しているようだ。ただ、その時期が党創建記念日の10日になる可能性については深刻に考慮していない様子だ。政府当局者は「北朝鮮で党創建日を記念する大規模行事や軍事パレード準備の動きは捉えられていないが、東倉里発射場の目隠しフェンスの設置などの動きはある。今後見極めなければならないが、"ショー"ではなさそうだ」と話した。

 韓米の軍当局は、党創建日前後に北朝鮮が核実験や弾道ミサイルの発射を強行する可能性が高いと見て、対北朝鮮連合監視戦力を強化して運用している。合同参謀本部指揮統制室も責任者を将軍級に引き上げた。国防部当局者は「北朝鮮の航行禁止区域宣言などの状況は確認されていないが、いつでも核実験とミサイル発射をする可能性があるとみて、強化された態勢を維持しながら備えている」と話した。

キム・ジンチョル、イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/764780.html 韓国語原文入力:2016-10-09 16:18
訳H.J(1929字)

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