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キム・ジンテ議員「暴露資料はどこから」大統領府のさしがねか

登録:2016-08-27 01:13 修正:2016-08-29 01:31
大統領府「腐敗した既得権勢力」指摘後 
親朴系議員が「証拠」提示し、積極的に口合わせ 
キム議員「マスコミ幹部の不道徳性を浮き彫りに」 

「ウ・ビョンウ保護のためにゼロサムゲームするのか」 
セヌリ党の一部では無理筋との指摘
セヌリ党のキム・ジンテ議員が26日午前、国会政論館で大宇造船海洋の豪華なチャーター機の写真を見せ、大宇造船海洋と大手マスコミの幹部との癒着疑惑を提起する記者会見を行っている=カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社

 セヌリ党のキム・ジンテ議員が26日、巷で噂が流れていた大宇(デウ)造船海洋と朝鮮日報高位幹部との癒着説を公論化し、大統領府と強硬親朴陣営が「ウ・ビョンウ辞任」政局の反転に乗り出したという分析が出ている。

 キム議員は、大宇造船海洋のナム・サンテ元社長が、2011年9月当時朝鮮日報の論説主幹だったS氏とナム社長の社長再任ロビーに関与した疑いで捜査を受けているニュース・コミュニケーションズのパク・スファン代表をチャーター機に乗せ、ギリシャのサントリーニ島に行ったとし、マスコミ幹部の不道徳性を強調した。キム議員が言及した朝鮮日報の高位幹部S氏は、パク代表と近い間柄と知られており、彼の兄は2009~2013年に大宇造船海洋の社外理事を務めた。朝鮮日報は2011年末、大宇造船海洋が学歴を問わず高卒採用したことを持ち上げた記事を何度か扱った。朝鮮日報の経営企画室はプレスリリースを出し、「(当時)のチャーター機の移動距離は計5818キロだ。このうち(S氏が)チャーター機に搭乗した区間の距離は1087キロで、全体の18.7%だった。当該区間1人当たりの航空運賃は200万ウォン台」と釈明した。また、2011年大宇造船海洋はワークアウト状態だったとキム議員が主張したことについて、「事実ではない」と反論した。S氏は25日、社内にも「パク・スファン代表との関係は取材記者と取材源に過ぎず、金品は行き来していない」と説明したという。

 キム議員の「暴露」は、大統領府と通じて成されたという見方が出ている。大統領府は「ウ・ビョンウ民政首席事件」を「植物政府を作ろうとする一部マスコミなど腐敗した既得権勢力の揺さぶり」と明らかにしてきた。キム議員がこの日暴露した内容は、大統領府の主張を裏付ける「証拠」とも言える。特にキム議員が提示した大宇海洋造船のチャーター機利用内訳の資料は、検査機関の協力なしには手に入れられないという評価だ。キム議員は資料入手の経緯について「世間の噂から事実を確認しようと(大宇造船海洋の大株主である)産業銀行に25日資料を要求して受け取った」と話した。しかし「噂」だけで5年前の海外チャーター機の利用記録を特定し探し出したとは考えにくいという指摘がある。検察の捜査過程で確保された資料という観測も出ている。セヌリ党のある議員は「大統領府が提供した可能性が濃厚」と話した。特にキム議員は「親朴突撃隊」と呼ばれるほど大統領府の意向に沿った言動をしてきており、大統領府のさしがねという話もある。もしこの資料が司正機関などで確保したものであったり、大統領府が暴露の過程に介入したならば、権力機関の捜査・情報力を政治的に利用したことになり、波紋が広がりかねない。

 セヌリ党内では、巷で噂されていた朝鮮日報の幹部の不正疑惑を公論化することで、大統領府と強硬親朴系が本格的にウ・ビョンウ局面の反転に乗り出したという分析もされている。ウ首席辞任を求める世論が圧倒的な局面を「腐敗したマスコミの揺さぶりに対抗する政府」という構図に転換しようとするものだ。ある首都圏の再選議員は電話で「大統領府がウ首席を庇護するために、腐敗した既得権勢力との闘いという主題を投じ、親朴系が『根拠』を示して闘いに加勢した」と話した。この過程でウ首席に対する世論の関心を分散させる効果も狙うことができる。大統領府と親朴系が中心支持層を結集させる思惑だという解釈もある。 セヌリ党の関係者は「大統領府と親朴系としては、世論の悪化のせいで揺れる中心支持層にもう一度支持してもらう根拠を与えた」と話した。ある親朴系の重鎮議員は「大統領府が根拠もなく『腐敗した既得権勢力』と言ったのではない。世論が反転するかもしれない」とし、「追加の『暴露』が出るかもしれない」と話した。

 しかし、強硬親朴系以外の議員らは、大統領府が無理筋を指していると指摘した。ある再選議員は「大統領府がウ・ビョンウ庇護に汲々とし、保守マスコミと傷だらけのゼロサムゲームを行っている」と話した。また別の重鎮議員も「いくら構図を変えようとしても、国政全般を混乱させた中心はウ・ビョンウ首席という本質を変えることはできない」と語った。

ソン・ヨンチョル、チェ・ウォンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2016-08-26 22:27

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/758616.html 訳M.C

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