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[ハンギョレ21 2009.07.24 第770号]ホン・ソッヒョン会長が手を付ければ‘上限値’

[表紙の話]持分投資した業者 株価暴騰…
該当社主は未公開情報利用した株式取引疑惑で起訴され

◇イ・スニョク

ホン・ソッヒョン<中央日報>会長は多段階関連業者のSTCグループ株式を購入し本人も差益を得て会社株価も跳ね上げてくれた。写真<ハンギョレ21>キム・ジョンヒョ記者

去る3月ソウル中央地検金融租税調査1部(部長 キム・カンウク)は未公開情報を利用して株式取引をし株式大量保有申告義務に違反した疑惑(証券取引法違反)でイ・ギェホ(50) STCグループ会長を起訴した。言論らはこの情報を伝えイ会長が‘ある報道機関の社主がSTCライフ転換社債60億ウォン分を取得する’という情報を利用し借名で株式を買っておいた疑惑を受けていると紹介した。ここで言及された報道機関社主はまさにホン・ソッヒョン(60)<中央日報>会長だ。事件をおさらいしてみよう。

STCライフ転換社債60億ウォン分引き受け

ホン会長は2006年10月STCライフ(当時の名前はSNC)の転換社債60億ウォン分を取得した。この便りは株価に大きな好材料として作用した。2千ウォン水準に留まっていた株価は一ヶ月で7千ウォン水準を突破した。翌年までこういう上昇勢が維持された。検察はホン会長の転換社債購入とそれにともなう株価急騰を予測し転換社債発行以前の2006年9月に借名で会社株式を買っておき莫大な差益を得たとしてイ会長を起訴したのだ。

報道機関は社会のあらゆる情報が集まる所だ。また韓国社会で縁戚言論社主は色々な情報に対する接近が容易なのはもちろん、見えない所で大きな力を振るう存在と認識されている。したがって一般株式投資家らもまた、報道機関社主が買った株式ならばひとまず信じて見ようとする傾向があり、イ会長がこれを利用して私腹を肥やしたということだ。

ホン会長がSTCライフ株価と関連して同様な役割を果たした例は最近にもある。STCライフは去る6月29日、運営資金調達のために102万5千株規模(9億9900万ウォン)の新株を発行する。一般公募方式の有償増資を決議したと公示した。新株の発行価額は975ウォンで契約期間は7月2~3日の2日間だった。ところが公示翌日の6月30日、ホン会長は子息からSTCライフ株式451万4936株を譲り受けたと公示した。これによりホン会長は転換社債を含め計805万4347株(11.63%)を所有する大株主となった。

このような情報が知らされるやいなやSTCライフの株価は上限値を記録し上昇勢は翌日まで続いた。結局増資は成功的に終えられた。102万5千株を株当り975ウォンで小額公募したが、6164万7千株(契約証拠金601億582万5千ウォン)が契約し60.14対1の契約率を記録したのだ。株式取引関連Cサイトなどでは‘[中長期お勧め][STCライフ]中央日報ホン・ソッヒョン会長が最近投資した会社’という題名の文を載せもした。

増資控えて子息持分譲り受け

結局<東亜日報>社主が未公開情報を利用して株式不公正取引をした疑惑があるならば、<中央日報>社主は未公開情報の対象となったわけだ。事実ここまでを見ればホン会長は株式投資に利用されただけと見える。

だが真実は見えることが全てではない場合が多い。イ・ギェホ会長は2006~2007年に多段階詐欺疑惑でソウル中央地検の捜査を受け昨年法廷拘束され今年初めの控訴審で執行猶予で解放されたが、この過程でもホン会長の名前が何回も取りざたされた。ホン会長とイ会長が格別の仲であり、ホン会長が子息たちの名義でSTCライフ株式に投資し数十億ウォンの差益を得たという噂が広まっていたのだ。

ある検察関係者は「当時捜査の時、イ会長が持分投資家が誰なのかに対して、ついに口を開かず口座を隅々まで追跡した」として「その結果、ホン会長をはじめとする社会著名人多数が飛び出してきた」と話した。イ会長は事業を大きく育てる前に、懇意にしている有力要人らからあらかじめ持分投資を受けたが、この中にホン会長も含まれていたということだ。

イ・スニョク記者hyuk@hani.co.kr

原文:http://h21.hani.co.kr/arti/cover/cover_general/25427.html 訳J.S