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[ニュース分析]朴大統領の開発協力モデル「コリアエイド」に批判殺到

登録:2016-06-04 01:59 修正:2016-06-04 07:58
アフリカ歴訪3カ国で試験運営 
国際開発協力団体「恥ずかしすぎる」
朴槿恵大統領とケニアのマーガレット・ケニヤッタ大統領夫人が5月31日、ナイロビのケニア国際コンベンションセンター(KICC)で開かれた「コリアエイド」事業の試験運用イベントに参加し、フードトラックの調理師らと話している=ナイロビ/聯合ニュース

保健・食品・文化トラックなど10台 
ビビンバ・Kポップ映像などを提供 
政府「訪ねて行くサービス」 

「月1回の食べ物で死亡率下げられるのか」 
国際援助の規範にも反する 
「韓国を自慢するためのショーに過ぎず、援助ではない」

 政府が朴槿恵(パククネ)大統領のアフリカ歴訪を機に「新たな韓国型開発協力(ODA)モデル」と大々的に宣伝している「コリアエイド」(Korea Aid)が、国際開発協力関連団体の強い反発に直面している。政府は、この事業を朴大統領のアフリカ歴訪の3大成果に挙げているが、開発協力団体は「韓国を自慢するためのショーに過ぎず、援助ではない」と即時廃棄を求めた。

 さらに、3日にハンギョレが取材した結果、コリアエイドは5月初めまでは政府の2016〜2017年の国際開発協力総合施行計画に盛り込まれておらず、朴大統領のアフリカ歴訪に合わせて急遽用意されたイベントだとする批判が高まっている。コリアエイドは今年初め、朴大統領が直接出したアイデアをもとに進められたとされる。

 政府は5月25日、外交部、文化体育観光部、農林畜産食品部、保健福祉部が合同で出した報道資料で「最貧国と脆弱層が多いアフリカ地域の開発協力を強化している」とし、「保健、食品、文化でトラックを活用した移動型開発協力事業のコリアエイドを推進している」と発表した。政府は、コリアエイドを開発協力+文化▽保健・食品・文化要素の包括▽訪問サービスを備えた「新たな韓国型開発協力モデル」と規定した。政府は、朴大統領が訪問したエチオピア、ウガンダ、ケニアの3カ国に国別に「保健3台(検診1、救急車2)+食べ物4台(フードトラック3、冷蔵トラック1)+文化1台(映像車)+支援するための2台の計10台の車」で構成されたコリアエイドを試験的に実施した。食べ物はビビンバなど米料理を中心に、文化は平昌(ピョンチャン)冬季五輪とK-POP・ビーボーイなど韓国文化の映像を中心に、保健は胎児の超音波撮影や保健キットなどを提供した。朴大統領は、5月27日(現地時間)、アフリカ連合(AU)の特別講演でコリアエイドを「アフリカの人たちと心でコミュニケーションし、共感できる新しい開発協力モデル」と強調し、歴訪した3カ国で初めてのモデル事業の現場を訪れた。政府は今後、月1回の試験事業を実施し、2017年の後半からすべてのトラックをこれらの3カ国に渡す計画だと明らかにした。

 しかし、ODAウォッチや参与連帯などの市民団体は「援助の趣旨と国際規範を無視した、顔から火がでるほど恥ずかしいその場限りのイベントであり、韓国による援助の恥さらし」、「韓国国際開発協力の歴史の後退」と批判し、「即時廃棄」(参与連帯)と「全面的な再検討」(ODAウォッチ)を求めた。 「月1回食べ物を提供するだけで、死亡率を下げられるのか?」「救急車1台で何ができるのか?」「平昌オリンピックとK-POPを知らせるために、なぜ政府の広報予算ではなく、開発協力資金を使うのか?」などの批判がコリアエイドに殺到している。

 特に二つが問題になっている。第一に、韓国は、2010年に経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)への参加を契機に、「援助を受ける国から援助する国へ」と生まれ変わって以来、援助をめぐる国際社会の規範に基づいて体系的な開発協力システム作りに努めてきたが、コリアエイドはこれまでの努力からかけ離れた明白な後退と指摘されている。国際開発協力の基本的な原則を明示した「援助効果にかかるパリ宣言(2015年)」は、援助する国(ドナー)と援助を受ける国(パートナー国)の「相互説明責任(Mutual Accountability)」が「開発協力事業の成否」を決めると強調している。開発協力は、パートナー国の開発戦略などを基に、その国のリーダシップ(Ownership)と政策主導性(Alignment)を高めなければならず、「国民の支持を確保・強化するため、透明性が必須要件」という宣言だ。これにより、韓国などの国際開発協力への参加国と団体は、イベント的な事業や建物や物品などのハードウェアを提供する事業を超え、援助を受ける国のシステムや能力などのソフトウェアの強化に焦点を合わせるために、活動の原則を改善してきた。

 第二に、体系的な検討を経ていない「上の指示による急ごしらえのイベント」という批判だ。黄教安(ファンギョアン)首相は5月30日の第26回国際開発協力委員会で、「2017年国際開発協力総合施行計画」を確定し、「コリアエイドなどの主要な事業を効果的に支えるようにした」と明らかにしたが、会議の議題には「コリアエイド」や「移動型プロジェクト」などの事業計画・方向に関する情報がなかったことが確認された。参与連帯で活動するイ・ヨンア氏は「韓国の開発協力事業がコリアエイドのようなイベントで後退する事態を防ぐため関連団体が対策を協議している」と語った。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-06-03 19:33

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/746778.html 訳H.J

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