原文入力:2009-07-14午後11:38:43
チョン・ソングァン辞退の背景は
キム・ナムイル記者
チョン・ソングァン検察総長候補者の辞退は任命された時に劣らず電撃的だった。
チョン候補者は14日夜、突然辞意を明らかにした。先月21日検察内外の予想に反してイ・ミョンバク大統領から‘指名’を受けて23日ぶりだ。形式こそチョン候補者の自主的辞退だが、内容は大統領府の指名撤回と受け取られている。実際に大統領府は辞意を即刻受け入れた。
昨年イ・ミョンバク政府スタート後、各種疑惑が提起された公職候補者に対してこのように迅速な‘措置’をした前例がないという点で、チョン候補者の辞退は意外と受け止められている。しかし内情を探ってみればチョン候補者を巡って提起された色々な疑惑がそのまま覆いかくしたり無視して見過ごすには難しい状況になったという政務的判断に従ったものと見ることができる。
特に13日の国会人事聴聞会でチョン候補者関連疑惑が解消されるどころかむしろ増幅される様相を見せた点もこういう判断に決定的影響を及ぼしたものと見られる。疑惑まみれの検察総長がそのまま任命される場合、各種攻勢の標的となり検察はもちろん政権にとっても荷物になることが明らかに見えた。特にチョン候補者が指揮・掌握しなければならない検事たちが、人事聴聞会を見た後で大きく動揺したことがイ大統領の‘決断’を操り上げた要素と言えそうだ。
チョン候補者は人事聴聞会に先立ち国会の資料提出要求はもちろん13日聴聞会でも議員らの問題提起に知らぬフリで一貫し不信感を大きくした。チョン候補者と人事聴聞準備チームは与野党の議員らが要求した85件の関連資料を資料提出締め切り期限(10日)まで一つも出さなかった。チョン候補者が住宅を買うために何と15億5000万ウォンを貸したという事業家パク・某氏は聴聞会証人に採択された直後の去る7日日本に出国し人事聴聞会が終えられた13日夕方にこっそりと帰国した。出国背景について議員らがチョン候補者をひどく責めつけたが、彼は「(パク氏と)連絡がつかなかった」という簡単な返事でこれを避けようとした。
このために与党内部、特に親イ直系に分類される議員たちでさえ「世論が納得しないだろう」と憂慮を示し、民主党は「内定を撤回しなければ検証を継続する」として腕をまくりあげた。検事たちの間でも資格問題を挙論する人たちが増えた。首都圏のある部長検事は「私たちが調査室で被疑者に(チョン候補者の説明と同じ)返答を聞けば叱り飛ばすが、組織の総帥をしようという人が怒鳴りつけられる水準の返答をする様を見て本当に顔が赤くなった」と話した。
こういう雰囲気を意識したからか、チョン候補者側はこの日午後3時頃に20ページに達する聴聞会解明資料を出し‘反転’を試みた。しかし前日聴聞会で答えたこと以上の内容は含まれておらず、このために疑惑は全く消えなかった。
雰囲気が尋常でなくなるや法務部はこの日一線検事らを対象に意見収斂に入った。これに答えた相当数の検事たちは「検察総長職を遂行するに不適切だ」として辞退するのが望ましいという意見を出したと伝えられた。このために任命強行という無理手をとるより‘カード’を変えるのが望ましいという意見を法務部が大統領府に出し、結局大統領府と調整の末に候補者の自主的辞退を受け入れる形式で荷を減らす選択が下されたと見られる。
大統領府は粗末な事前検証で面目を台なしにしたのに続き、すでに退いたチョン候補者の先輩期数や同期たちを対象に新しい候補者を探さなければならない苦役に服することになった。
キム・ナムイル記者namfic@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/365865.html 訳J.S