11日、開城(ケソン)工業地区(開城工業団地)で開かれる第1回南北当局会談は、両者がそれぞれ重視する離散家族問題と金剛山(クムガンサン)観光再開問題で異見を狭められるか、相対的に共感の幅が広いスポーツなどの非政治分野の交流協力拡大方案に合意できるか、2回目の当局会談の日程を定められるかなどが関心事となる。 早くから南北は互いに重要議題を強調し、牽制・圧迫して機先を制してきたが、以前とは異なり首席代表の“格”に関する問題は簡単に合意に達した。 南側の首席代表であるファン・プギ統一部次官など代表団3人は11日午前8時、ソウル南北会談本部を出発し午前10時30分から開城工業団地総合支援センターで北側のチョン・ジョンス団長ら代表団と会って会談を始める。
南側は離散家族問題の進展に焦点を合わせている。 ホン・ヨンピョ統一部長官は8日、民主平和統一諮問会議(民主平統)運営・常任委員会合同会議の特講で「(南北離散家族問題解決で)最も強調する部分が全面的生死確認のための北側との名簿交換」とし「容易なことから始めて協力と交流を継続する考え」と明らかにした。 離散家族問題を核心議題とするものの、金剛山観光再開など政治的負担の大きい事案は段階的に解決するという意思を示したことになる。
北側は連日のように金剛山観光を強調している。 北朝鮮の週刊誌、統一新報は5日、「民族の名山を見たい南の民族の願いを推し量り」という記事で「金剛山観光には民族和解と南北関係改善の意が含まれている」と書いた。 これに先立ち労働党機関紙の労働新聞と観光特化ウェブサイトの「朝鮮の今日」も最近、それぞれ「名勝地の秋の日に」と「備えの中にある金剛山」という記事を載せた。 金剛山観光再開の願いを迂回的に表わしたわけだ。
南側でも金剛山観光の再開を求める声は少なくない。 韓国貿易協会が後援する南北経済協力企業の集いである南北交易投資協議会は1日、国会外交統一委員会委員と会い「政府と民間部門の南北経済協力分離運営立法化」(政経分離方針の法制化)等を要請し、金剛山観光の早急な再開を促した。 現代経済研究院が統一・外交・安保の専門家144人を対象にアンケート調査を行い3日に発表した結果によれば、65.3%が離散家族問題と金剛山観光をまとめて解決しなければならないと答えた。
北朝鮮の核問題を議題として扱わなければならないという主張も出ている。 大統領諮問憲法機関である民主平和統一諮問会議(民主平統)は8日、政策建議報告書を通じて「非核化を南北対話の議題に設定」すべきと提案した。 韓米日の6カ国協議首席代表がワシントンで会合した直後、米国政府が北朝鮮人民軍戦略軍などを特別制裁対象に含めた事実が知らされたが、このような流れが今回の当局会談にどのような影響を及ぼすかに注目が集まっている。
一方、北側は南側に「真正性」を繰り返し言及している。 労働新聞は9日、「二重姿勢、両面術策をまず捨てるべきだ」と論評し「現在の状態が続くならば、会談が開かれてもその成果は期待し難い」として、南側に「関係改善のための真正性を示すべき」と主張した。