原文入力:2009-06-30午後02:33:08
中国・イラン 新しい検閲技術導入‘表現の自由’抑圧
検閲迂回プログラムも同時に発展‘統制無力化’
ク・ポングォン記者
←‘Tor ネットワーク’に加入した利用者(エリス)が特定コンテンツ(ボブ)に接続要請を送れば、その要請は全世界に散らばっている数多くのTor ネットワーク加入者のPC(ノード)をたどりながら暗号化され匿名化されて伝えられるため使用者追跡が不可能だ。(左側の絵)のサイフォンは防火壁で遮断された特定コンテンツに接続しようと思う時、防火壁に微細な穴をあけ接続することができるようにして、この経路が遮断されれば自動で新しい経路を提供する技術だ。(※クリックすればさらに大きく見ることができます。)
滔々たる情報の流れにダムを積んでその波を統制することができるだろうか? インターネット情報統制を巡る長い間の論争がイラン大統領選挙や中国の検閲強化を契機にまた活発になった。
中国は検閲の力と技術を信じる代表的な国だ。途方もない規模の人材を動員しインターネットのすべてのコンテンツを監視し統制を試みてきた中国は、最近すべてのPCにソフトウェアを設置し検閲を強化する政策を選択した。中国は7月1日から自国内で販売されるPCに‘有害コンテンツ’を遮断するソフトウェアである‘クリーン ダム-青少年エスコート’を必ず搭載するようにした。レノボのような自国ブランドだけでなくアップル・ヒューレットパッカードなどが中国に出荷するすべてのPCが該当する。‘青少年をポルノから保護する’という名目だが、実際には法輪功・チベット・天安門事態など特定用語が入ったコンテンツを政府が難なく遮断でき、国際社会の非難が強い。米国商務部と貿易代表部,ヨーロッパ連合は「世界貿易機構規定違反でありインターネット検閲であり表現の自由の抑圧」として世界貿易機構提訴の可能性を明らかにした。
去る12日に行われた大統領選挙以後、イランは検閲技術の矛と盾がぶつかる最前線だ。イランは携帯電話文字メッセージ機能を事実上停止させたのに続き、ユーチューブ・フェイスブック・ツイーターなどの社会関係網サービスを遮断している。この過程でノキアとシーメンスが合作した会社がイランにインターネット検閲技術を販売した事実が知らされた。‘ディップ パケット インスペクション’と呼ばれるこの装置はEメール・画像・文字などインターネットのすべてのトラフィックを検閲することができる。テロとポルノ,麻薬取り引きなどを監視するという名分で導入されたが、今回は政治的検閲手段として活用されたのだ。イランでは大統領選挙以後、インターネット速度が通常の10分の1水準に落ち、検閲に対する疑いが高まったと去る23日<ウォールストリート ジャーナル>が報道した。
新しい検閲技術開発に劣らず、これを無力化するための努力も注目に値する。プロキシサーバーや仮想私設網(VPN)を利用して、接続者のIP住所を隠したり変更したりして迂回接続する既存の方法の他に、新技術が登場している。ハッカーたちが活用した技術が表現の自由と民主化要求の手段として使われている。
カナダのラファール ロホジンスキが開発した検閲迂回プログラム‘サイフォン’(psiphon)が代表的だ。サイフォンはコンピュータ防火壁に数千ヶの小さい穴を開け遮断されたコンテンツに接近するようにするプログラムだ。例えばイランで遮断された<BBC>ニュースを見ようとする時、接続が可能なプロキシサーバーを連結し検閲によって接続が遮断されれば新しい経路を自動で提供するプログラムだ。ロホジンスキは最近10日間に1万8000人を越えるイラン人たちがプログラムをダウンロードしたと<AFP>通信が去る26日伝えた。
米国海軍研究所と電子フロンティア財団(EEF)の支援で開発された‘Torネットワーク’もイランで検閲を迂回する技術として活用されている。Torは全世界の自発的支援者たちが参加した数多くのコンピュータを利用して利用者を匿名化しトラフィックを暗号化する技術だ。Tor側は各国の言論人,軍人,人権活動家など数百万名が多様な理由でTorを使用中だと明らかにした。国内のある保安業者関係者は「Torを利用した接続者のIPは追跡がほとんど不可能だ」と明らかにした。米国国務部は‘イラン民主化プログラム’の一つとして2007年に3100万ドル,2008年に6000万ドルの予算を投じ、イランは最近の騒乱の背後に米国中央情報局があると非難したことがある。
中国とイランのインターネット利用者が各々3億人,2300万人と推算される現実で、インターネット全面遮断は容易ではない。また技術の発達は検閲と統制をより一層困難にさせている。携帯電話を通じて140字の短文を上げるツイーターはデジタル ゲリラ戦に最適だ。政府がツイーターのIPを塞ぐ瞬間、利用者らは新しく確保された迂回サーバー(プロキシサーバー)の情報を携帯電話で共有し情報を上げるためだ。
エリック シュミット グーグル最高経営者は去る27日、カンヌ国際広告祭で「表現の自由を阻もうとする政府の試みは決して成功しない,まずい戦略」と語った。
ク・ポングォン記者starry9@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/science/internet/363123.html 訳J.S