創造科学会「約10大学で関連授業
“創造科学”という名を使う学部はほとんどない」
聖書の内容を文字通り受け入れる人たちの中には、地球の年齢は46億年でなく6000年前後で、宇宙と地球がたった6日で創造されたと信じる人たちもいる。主に“聖書無誤謬”を主張する米国と韓国の原理主義プロテスタント教会の信者がこれを「創造科学」と呼び、進化論などと対抗する。2012年には「教科書進化論改正推進委員会」という団体が請願運動を行い、進化論の有力な証拠とされる始祖鳥の関連内容が科学教科書で一部修正され、国際的な笑い話になったこともある。
総合大学、それも工学部の教授が、単位まで配分してこんな授業を開設した事実が知られ、3年ぶりに再び創造科学問題が巻き起こった。
プロテスタント系の大学である延世(ヨンセ)大は、創造論を基に聖書の内容を科学的に証明しようとする創造科学の授業を9月に始まる2学期に開設する。大学1年を対象にする1単位の授業で、チェ・ユンシク電気電子工学科教授が担う。同大では14年前にも同じ授業が開設されたことがある。
受講申請を控えて問題になった。学生たちはフェイスブックを通じて「総合大学であんな科目を教えるのは国際的な恥さらし」「この科目の開設が容認されたら、アフリカのブードゥー教の呪術も医学と認定しなくてはならない」などと批判文を載せた。
講義開設者のチェ教授は10日、「創造論が正しく、無条件に進化論が誤りだという趣旨ではないが、当惑している」と語った。チェ教授は「キリスト教徒として工学を学び教える立場で、信仰と科学の間の悩みを感じてきた。このような悩みを学生と話してみようということであり、創造科学を育成しようというものではまったくない」と語った。
チェ教授の授業計画書には「キリスト教徒の科学者は、聖書の内容と科学知識の間に葛藤を感じた経験がある。聖書の中で科学的に検証できる部分を探し、創造論と進化論に関する科学的な接近を通じて聖書に関する理解を助ける」と書かれている。生命の出現、種の起源、創造と進化、恐竜などが主題だ。これに対し科学哲学者であるソウル大のチャン・デイク自由専攻学部教授は11日、「授業計画書によれば創造科学を科学として教えようとしている。定説を否定するニセ学問を一つの考えとしてでなく一定の理論かのごとく教えようとするのは、教育者の義務に反する」と指摘した。
一方、韓国創造科学会は「約10大学で関連授業が進められているが、創造科学という名を使うケースはほとんどない。ミッションスクールならばある程度許される部分もあるが、大学側が認知していないなか、後になって授業の内容が知られて問題になることもあり、なんとも申し上げられません」と答えた。米連邦最高裁は1987年、進化論と共に創造論も学校で教えるのは政教分離原則に反するとして違憲判断を下したことがある。
神学者である青於藍(チョンオラム)アカデミーのヤン・ヒソン代表は「創造論と進化論の中間地帯には“有神論的進化論”ないしは“進化的創造論”がある。神も存在するが、進化という方法で創造の過程があったという風に調和を試みようとする立場であるので、保守教団が唱える創造科学のような極端な立場だけが過剰に強調されるのは問題」と語った。
韓国語原文入力:2015-08-11 23:14