日本に家族居住…年俸2倍のラブコール
代わるフォワード選手がない水原サムスン
「日本に戻るという本人の意志ははっきりしています。両親と妻の実家も日本にあり、年俸も2倍も出るのだから…、引き留めたいけど仕方ありませんね」
7日明らかになった“人民ルーニー”鄭大世(チョン・デセ、31、水原サムスン)のJリーグ清水エスパルスへの移籍説に対し、水原(スウォン)球団関係者はこう話す。
「今週末のKリーグ競技後、来週にも日本に行くそうです」
日本の静岡新聞はこの日、清水が鄭大世と移籍交渉を終えたと報じた。
2013年初め、水原サムスンに入団した鄭大世は、今シーズンのKリーグで絶好調だった。彼がいない水原の攻撃力は大きく弱まるほかない。水原関係者は「ブラジル出身のカイオ(28)が負傷で出場できずにいるが、鄭大世までいなくなればフォワード選手がいなくなり深刻です」と窮状を訴える。球団はとりあえず中国2部リーグ延辺FCで短期契約をしたハ・テギュン(28)を7月末に復帰させるなど、代案の準備に躍起になっている。
水原は2015年のシーズンのKリーグ・クラシックで20ラウンドを終えた現在、10勝6分け4敗、勝点36で、1位の全北・現代(13勝4分け3敗、勝点43)に続き2位を走っている。鄭大世は19競技に出場し、6ゴール5アシストを記録してチーム上昇の勢いの牽引役を果たした。2014年のシーズンでは振るわなかったが、今年はゴールゲッターとしてグングン飛ばしている。23競技に出場し10ゴール(2アシスト)で、チーム最多得点を記録した2013年入団初年度を上回る技量を見せた。昨年は28競技に出場したが7ゴール1アシストに終わった。12競技をジョーカーとして走ったほど、監督の信任を得れなかった。
鄭大世は2013年12月14日に大韓航空のスチュワーデスと結婚し、昨年息子(テジュ)を授かった。在日同胞の妻の家族は日本に住んでいる。鄭大世も在日同胞3世で、韓国国籍を持つ父(チョン・キルブ)と朝鮮族の母(リ・ジョングム)の間に生まれた。みな日本に住んでいる。自然に日本に行きたいと思うほかない状況だ。
こんな状況で清水が火をつけた。3億ウォン(約3300万円)を超す年俸を水原で受けている鄭大世に対し、その2倍出すとラブコールを送ったのだ。清水は最近終わったJリーグ前半期リーグ(ファーストステージ)で3勝4分け10敗の最下位に終わると、直ちに攻撃力強化のため鄭大世をターゲットにしたと分かった。鄭大世は水原との契約が今年末に終わるので問題になることもなく、水原はこの夏に再契約するか移籍させるしかない。
また、球団の事情で年俸を清水が提示し額に上げて引き留めることもできない。水原関係者は「選手が移籍を望むなら球団が防ぐことはできない。行くなら送り出す方針」と明らかにした。
鄭大世は2006年から2010年まで日本Jリーグの川崎フロンターレに所属した。2010年の南アフリカ共和国ワールドカップでは北朝鮮サッカー代表チームのストライカーとして活躍。その後、ドイツに進出してボーフムのユニホームを着たが、印象的な活躍をすることはできなかった。水原はそんな彼を2012年末、移籍料4億ウォンを出し迎え入れた。興行価値があるという判断からだ。水原としては、絶好調の技量を持ちチームに絶対必要なフォワード選手の鄭大世を送り出すほかない状況は骨身にこたえる。ファンも「サムスンが金でつなぎとめることはできないのか」と訴えている。
韓国語原文入力:2015-07-07 20:34