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ソウル龍山米軍基地内の油流出、14年ぶりに調査

登録:2015-05-31 21:29 修正:2015-06-01 07:31
 環境部とソウル市、地下水18カ所から試料を採取
 汚染確認されたら米軍による浄化後、基地返還を要求する方針
緑莎坪駅近くでの油類汚染原因と指定される「キャンプ・キム」の入口である龍山米軍基地17番ゲート=資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓国の環境汚染の専門家たちがソウル龍山(ヨンサン)米軍基地の土壌が油によって汚染されているかどうかを確認するために、14年ぶりに直接調査に乗り出した。

 環境部とソウル市は31日、それぞれ国立環境科学院と韓国農漁村公社に依頼し、26日から29日まで龍山米軍基地内に専門家5人を派遣し、地下水灌頂32カ所のうち18カ所の試料を採取したと明らかにした。

 韓国の専門家たちが米軍基地の中に入って調査を行ったのは、ソウル地下鉄6号線緑莎坪(ノクサピョン)駅の油汚染問題が浮上した2001年以来、14年ぶりのことだ。龍山米軍基地は米国領であり、米軍が認めなければ敷地内に入って調査することができない。調査結果は、6月中旬に発表される見込みだ。

 ソウル市はこれまで着実に浄化作業を行ってきたが、内部の汚染を放置したまま、外部のみを浄化するのは“焼け石に水”という理由で、2013年から基地内部の調査を求め続けてきた。 2013年6月環境部・米軍・ソウル市で構成された環境共同実務協議体を構成されてから、昨年12月に開かれた韓米駐屯軍地位協定(SOFA)合同委員会会議を経て、今回の調査が実現された。

 環境科学院と農漁村公社の合同調査チームは、油の流出時に検出されるベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン(BTEX)と全石油系炭化水素(TPH)などが検出されるかどうかを確認する計画だ。昨年、緑莎坪駅周辺の地下水から検出されたベンゼンの量は、1リットル当たり平均0.836ミリグラム。基準値である1リットル当たり0.015ミリグラムの55倍を超えており、最高値は1リットル当たり8.878ミリグラムで基準値の578倍に達した。

 ソウル市は、今回の試料調査の結果、汚染が確認された場合は、米軍が直接浄化した後、基地の返還を求める方針だ。ソウル市の関係者は、「2001年以降、毎年検出量を調査し、浄化作業を行っている。毎年検出量が減ってはいるが、すでに訴訟費用を含めて71億ウォン(約7億9270万円)の予算を投入した」と説明した。

ウム・ソンウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-05-31 20:02

https://www.hani.co.kr/arti/society/area/693624.htmltarget=  訳H.J

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