ソウル・九老(クロ)区の新九老小学校の運動場は雨が降ると水浸しになる。マサ土(荒い砂)で埋めた運動場のあちこちに水溜まりができるからだ。乾燥した日には、大気汚染の主犯である土ぼこりが悩みの種だった。人工芝を設置すると数億ウォンものお金がかかるばかりか、有害物質の問題も浮上した。
雨が降ろうが晴れになろうが、子供たちの体育時間を邪魔してきた運動場が、昨年夏から変わり始めた。ソウル市教育庁が模範ケースとして作った“エコロジー運動長”のおかげだ。
ソウル市教育庁は25日、「学校運動場に使われるマサ土の特性を分析して排水性能を改善し、飛散するホコリの発生を抑制できるように石英砂(白い砂)との最適混合比率をつきとめた」と明らかにし、これを基に運動場施工材料、施工方式などを規定した「エコロジー運動長施設基準」を発表した。同教育庁は2013年に「学校運動場改善学術研究」をソウル大産学協力団に委託し、その結果を新九老小など3カ所にテスト適用して経過を見守った。
新九老小運動場は時間当り40ミリの豪雨が降った後でも、すぐに使用できるようになった。飛散ホコリは周辺学校に比べ最大61%低く測定された。
学校運動場設計の細部基準を用意したのはソウル市教育庁が初めてだ。ソウル地域の学校運動場のほとんどはマサ土でできている。2010年から人工芝運動場が増え始めたが、有害性を指摘する声が絶えない。昨年、国民体育振興公団が全国1037校の人工芝運動場を調査したところ、174校で1級発ガン物質のベンゾピレンや鉛などが検出された。ソウル市教育庁は今月、アヒョン中や中央高をはじめ、有害物質が検出されたソウル地域25校の人工芝を取り外すことにした。
エコロジー運動長は全国に広がる見込みだ。ソウル市教育庁のチェ・ヨンシク教育施設安全課長は「今月の初め、他の地域教育庁関係者たちを集め研究結果を発表したが、関心が高く、全国の教育庁に施設基準を共有することにした」と明らかにした。
韓国語原文入力:2015-05-25 23:12