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‘狂牛病’ 報道後 再協議…政府も問題点を是認した格好

原文入力:2009-06-19午前10:14:14
PD手帳製作陣 5人起訴, 内容妥当か
検察 “意図的わい曲”…製作陣 “意図なかった”

ソク・ジンファン記者

←チョン・ビョンドゥ ソウル中央地検1次長が18日午前、ソウル,瑞草区,ソウル中央地検6階小会議室で<文化放送> ‘PD手帳’ に対する捜査結果を発表した後、会見場を出ている。 キム・テヒョン記者xogud555@hani.co.kr

検察が18日<文化放送> ‘PD手帳’ 製作陣を起訴し1年余り引きずってきた捜査を終えた。だが検察の控訴提起に政治的意図が込められているという批判が荒く、主要控訴事実を巡る検察と製作陣の主張がするどく対抗しており、激しい法廷攻防が予想される。

検察 “翻訳わい曲10件…事実と違う 11件…意図的脱落など9件”
製作陣 “一部誤訳・ミス…あたかもプログラム全体がわい曲のように発表”

争点は大きく二点だ。報道内容の事実関係に対する論議と共に、当時の報道が免責理由に該当しないほど悪意的で正当性がなかったのかが核心だ。

検察はこの日、捜査結果発表で「30ヶ余りの場面で事実と違ったり意図的翻訳わい曲があった」と明らかにした。翻訳わい曲が10件,事実と異なる報道が11件,説明省略や意図的脱落などによりわい曲したものが9件だと説明した。ディレクター手帳は ‘座り込んだ牛が狂牛病にかかったりかかった可能性が非常に大きい’ と放送したが、検察は ‘座り込んだ牛が狂牛病感染の可能性が相対的に高いということであり客観的な発病危険が高いという意味ではない’ として事実わい曲の事例として挙げた。

検察はまた「人々は乳牛(dairy cows)が屠殺されたと考えることができないでしょう」という外国専門家の話を「人々はこういう牛が屠殺されたと考えることができないでしょう」と翻訳した部分をわい曲翻訳事例として提示した。“こういう牛”が狂牛病にかかった牛という感じを与えたということだ。

反面、チョ・ヌンヒ責任ディレクターはこの日の記者会見で「一部誤訳やミスがあったが、検察はプログラム全体にあたかも意図的わい曲があったかのように発表した」と反論した。チョ ディレクターは「検察が乳牛を ‘こういう牛’ と翻訳した例を挙げたが、これは乳牛が狂牛病感染確率が一般牛より2万倍も高いため」として「その話をした外国専門家にも ‘そのように翻訳したことは問題ない’ という公証までもらった」と話した。

検察がささいな誤訳や文句挿入にまで名誉毀損意図を裏付ける事例として列挙しながら、PD手帳側に有利な情況と事実は無視したという批判も出ている。パク・ギョンシン高麗大教授(法学)は「検察が虚偽事実だと明らかにした ‘94%発病率’ とか ‘化粧品・医薬品で伝染可能’ , ‘0.1gの危険物質で死亡’ 等は皆、科学者らがたてた仮設を伝えたもの」として「真に立証されなかったとは言え、逆に虚偽と立証されたこともない事実を報道したという理由で処罰するならば、神の存在を信じるすべての信者は皆監獄に行かなければならない」と衝いた。ソ・ボハク慶煕大法学専門大学院教授は「政府もPD手帳報道の後、(問題を認めて)追加交渉をし輸入牛の年齢を調整したではないか」と指摘した。

名誉毀損と業務妨害疑惑の法理を巡る攻防も避けられない。裁判所は公益を目的にした言論報道の場合 ‘違法性阻却事由’ を比較的幅広く認める。大法院は2003年公人に対しては悪意的だとか顕著に,相当性を失った報道でない限り違法性がないと判決することもした。

検察は「事実わい曲が明らかで、これを通じて該当公職者に対する致命的な名誉毀損があったので処罰に問題がない」という態度だ。また「報道を見て加盟店契約取り消しが27件も発生し業務妨害疑惑は抽象的威嚇だけでも処罰が可能だ」と明らかにした。

しかし製作陣側のキム・ヒョンテ弁護士は「公職者個人に対する不正報道でもなく、ささいな失敗のために政府政策を批判した報道に名誉毀損罪を適用するならば、これから言論が政府政策を批判できるか」と反論した。彼は業務妨害疑惑に対しても「輸入業者にわざと被害を与えようとする意図がなかったし、報道と被害事実の間に直接的因果関係もない」と話した。

判事出身のある弁護士は「公職者を相手にした報道の場合、裁判所は虚偽事実でも公益的目的で悪意がなければ比較的幅広く認めている」として「結局報道に悪意があったかを争うのが核心になるだろう」と話した。 ソク・ジンファン記者soulfat@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/361286.html 訳J.S