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“検察, 言論 怖がらせ”

原文入力:2009-06-19午前02:39:57
[‘PD手帳 製作陣起訴’ 言論学者・団体反応]
“裁判所 判決結果 無関係”…“ろうそくデモの責任押し付ける政治的報復”

パク・チャンソプ記者

←ソウル中央地検捜査官らが去る3月26日 ‘PD手帳’ 狂牛病編を製作したイ・チュングン<文化放送>ディレクターのソウル,麻浦区,塩里洞の自宅を押収捜索している。壁には去る2月結婚1年をむかえたこのディレクターの結婚記念写真が掛かっている。チョン・ヨンギル<ハンギョレ21>記者yongil@hani.co.kr

米国産輸入牛肉の狂牛病危険を扱った<文化放送>(MBC) ‘PD手帳’ 製作陣に対する検察起訴は韓国の言論の自由の現実を赤裸々に見せる象徴的事件だ。多くの言論学者と市民・言論団体は言論の基本機能である政府政策に対する指摘と批判を遮るものであり、ひいては言論人の自己検閲を深化するものだと憂慮した。

学者たちは何より今回の起訴が無理だと指摘する。キム・ミンファン高麗大教授は「検察は(PD手帳製作陣が)社会に重大な混乱を呼び起こすという明示上の悪意があるというが、悪意の有無を度々司法的に統治しようとすれば言論の自由を甚大に侵害する恐れがある」とした。カン・ヒョンチョル淑明女子大教授は「公人や国家機関と言論間の葛藤が生じれば、言論の自由を優先視するのが西欧先進国の流れなのにわが国は反対に行っている」と指摘した。

政治的背景が作用したという指摘も出た。ウォン・ヨンジン西江大教授は「PD手帳を無力化してこそ当時の牛肉輸入決定が正当化されるという考えで、検察が初めから答を定めておいて無理な捜査をした側面がある」として「チョン・ウンチョン前長官などが名誉毀損告訴をしたのも政府の威信と名誉をたてるという考えと見える」と話した。ミネルバ事件,盧武鉉前大統領捜査に見るように、今回の事件もやはり検察が政治的判断をしているということだ。

文化放送労組はこの日発表した声明で「検察の現捜査は当初ロウソクのあかり強迫観念と広場恐怖症に捕われた現政権のために、ろうそくデモの責任をPD手帳に押し付けようとする政治的修辞で批判言論に対する政治的報復」と主張した。言論改革市民連帯も声明で「検察自らの判断によったものでなく大統領府と農林水産食品部の要請により(捜査が)成り立った。ロウソクのあかり(示威)に対する報復の性格があまりにも明確だった」と明らかにした。

学者らは今回の起訴が政権に反対する言論はいつでも手を加えることができるというメッセージを送ったものという解釈を出した。ソン・ギョンジェ慶煕大教授は「検察は実際の裁判での処罰可否に関わりなくPD手帳チームを捜査し起訴する過程を国民に見せることによって言論を怖がらせようとしている」と話した。ウォン・ヨンジン教授は「<韓国放送>の論調が大きく変わるなど、検察捜査による言論の萎縮効果はすでに現れている」と話した。

今回の事件を契機に、報道機関と公共・国家機関が衝突する時は司法的判断をする前に報道機関自ら再発防止システムを作り社会的討論と議論を通じて解決しなければならないという注文も出てきた。イ・ジェギョン梨花女子大教授は「報道機関が自ら製作過程を反省し再発防止構造を作らなければならない」と提案した。チョン・ジュンヒ忠南大講師は「英国では報道機関と国家が対立する場合、国家が介入すれば言論の自由を侵害すると考え独立的な委員会を作って議論する」と話した。実際に去る2003年<BBC>放送が「政府が ‘イラク戦関連報告書にイラクが45分以内に大量殺傷武器を配置することができる’ という内容を入れるように指示した」という記事を送りだしたことと関連して、政府が事実ではないと猛非難して英国社会は判事が率いる調査委員会を設けて報告書を発表することで葛藤を解決した。

パク・チャンソプ記者cool@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/361191.html 訳J.S