“死の橋”という汚名を濯ぐため、ソウル市が麻浦(マポ)大橋の欄干を高くすることにした。 この橋での自殺の試みが減らないために出された格別の措置だ。
ソウル市関係者は15日「自殺試図統計が増加傾向を示したため、麻浦大橋の欄干を高くすることにした。 欄干設置工事に長い期間は必要としないが、新しい欄干の高さや形、材質などを検討する必要がある」と話した。 ソウル市はこの事業に予算7億ウォン程度を編成した。
現在の麻浦大橋の欄干は高さ1.3メートルだ。 身長が平均(1.6メートル)程度の女性でも難なく上れる。 ソウル市はこれを高さ2メートルの欄干に変えることを検討している。 ソウル市側は「警察や国会ではネットや金網を設置する方案を提案したが、委託研究の結果、実効性が低いと結論が出た。公共施設としての美観など、他の市民の立場も考慮する必要がある」と話した。
ソウル市は2012年からサムスン生命と共に麻浦大橋と漢江(ハンガン)大橋を「生命の橋」に変貌させるための事業を行ってきた。 麻浦大橋の上に照明装置、自殺予防の字句などが設置された背景だ。
だが、麻浦大橋での“絶望”は、むしろ増加していることが明らかになった。 ソウル市消防災難本部の資料によれば、2010年の23件(死亡6件を含む)、2011年11件(5件)、2012年15件(6件)から、2013年には93件(5件)、2014年には何と184件(5件)に自殺試図が急増した。 「命の橋」事業の前後で死亡者数にはほとんど差がない一方で、未遂は12倍以上に急増したわけだ。 消防災難本部が担当する岩寺(アムサ)大橋(上流)から加陽(カヤン)大橋(下流)までの漢江にかかる25本の橋梁のうち、麻浦大橋での自殺試図が最も多い。
麻浦大橋に次ぎ二番目に自殺試図が多い漢江大橋の場合、2010年16件(死亡4件)、2011年11件(8件)、2012年16件(1件)、2013年11件(0件)、2014年47件(1件)だ。
中央自殺予防センター関係者は「試図は増加したが救助率も高まったという点で生命の橋事業のその間の役割が失敗だったと評価することはできない。ただし補完策として構造物設置のような、より確実な方案が必要だと見る」と話した。