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批判職員 罷免 ‘逆風’…国税庁 ゴタゴタ

原文入力:2009-06-16午前09:53:19
“こんなことでは世論から罷免されるのと違うか”
内部でも罷免決定に同意しない雰囲気広まる
ハン・サンリュル前国税庁長を巡る疑惑さらに ‘増幅’

チェ・ウソン記者

←ソウル,鍾路区,寿松洞の国税庁庁舎。 キム・ジョンス記者jongsoo@hani.co.kr

国税庁がハン・サンリュル前庁長に対する様々な疑惑を提起した内部職員をうかつに罷免したために内外から激しい逆風を受けている。政界と市民・社会団体では国税庁の今回の罷免決定を批判する声明があふれている。内部の雰囲気も落ち着かない。「このままでは国税庁が世論から ‘罷免’ されるのではないか」という話まで出ている。ソウル地方国税庁のある関係者は「罷免決定に対して内部でも同意しない雰囲気が広まり、私たちの間では今回のことを口にするまいと努力している」として組織動揺が尋常でないことを伝えた。

■国税庁の名誉 誰が汚したか
国税庁が光州地方税務庁羅州税務署所属キム・某係長を急いで罷免した背景には、盧武鉉前大統領逝去に対する国税庁責任論を遮断するという意志が伺える。キム係長は先月28日、内部通信網にあげた文で、ハン・サンリュル前庁長が盧前大統領に対する検察捜査の端緒を提供したと批判した。ハン前庁長がイ・ミョンバク政府に ‘コード’ を合わせようとして政治的目的の標的税務調査をしたのではないかということだ。ハン前庁長の身の振り方と関連した疑惑は主に言論や政界でたくさん出たが、内部で公開的に提起したケースはキム係長が初めてだ。

国税庁は保安意識が徹底した組織だ。国税庁職員は納税者情報流出が法で禁止されている。こういう国税庁で内部情報に接近できる職員が疑惑解消を注文した状況を国税庁は恐れるほかはない。火種の拡散を防ごうと、急いで ‘罷免決定’ という超強手に出たが、自ら失敗を招く手法になる公算が大きい。キム係長に対する国税庁の罷免理由は ‘公務員品位損傷’ と確認されていない疑惑を提起したことに伴う組織 ‘名誉き損’ だ。

これに対して参加政府時に国税庁長を務めたイ・ヨンソプ民主党議員は<文化放送>(MBC)ラジオ ‘ソン・ソクヒの視線集中’ で 「国税庁は疑惑を解消せずに罷免という強硬な方法を選び、却って疑惑を大きくしただけ」と話した。また別の国税庁前職高位幹部も「国民は検察捜査を避け米国に逃げ帰ってこないハン・サンリュル前庁長こそ名誉を落とした人と見るのではないか」とし、キム係長に対する懲戒を無理手と断定した。

■疑惑を解く鍵は?

こうした中でハン・サンリュル前庁長を巡る疑惑はさらに増幅されている。国税庁内外では参加政府とイ・ミョンバク政府間の政権交代期をたどりながら各種情報を扱ったハン前庁長が爆発力の強い ‘カード’ を手にしているという分析も出てきている。

この間ハン前庁長が与党核心部が刺々しく感じるに足る情報に何回も接近する機会を持った情況は明確だ。代表的なのがまさに去る大統領選挙過程でずっと論難となった ‘BBK’ 等、イ・ミョンバク大統領の財産関連情報だ。

昨年2月ハン庁長が電撃的にゴリ押ししたキム&ジャン法律事務所に対する税務調査結果も関心事だ。当時はイ・フェチャン総裁の創党および総選挙出馬可否が新政府核心人々に心配事として登場した頃だ。国税庁出身のある要人は「ハン庁長はひとまず庁長留任に成功した後、長官席進出に唯一大きい関心を見せていたし、自ら長官まで十分に上がるだけのことはあると行動して回ったという話が笑い話のように飛び交った」と話した。これをひっくり返せばそれだけ与党が自身に ‘配慮’ するというそれなりの判断があったという解釈も可能なわけだ。

チェ・ウソン記者morgen@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/360630.html 訳J.S