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韓国の非正規雇用、超短時間労働者120万人時代へ

登録:2015-03-23 21:29 修正:2015-03-24 15:10
 2008年金融危機以後に急増
 2010年に初めて100万人超え
週18時間未満の超短時間労働者(出所:韓国統計庁 単位:人)//ハンギョレ新聞社

 1月には128万まで急騰
 保育・給食・清掃などで多く
 女性が多く社会保険加入率が低い
 「事実上、失業状態同然」

 保育の仕事をしているキムさん(56)は、午後4時から7時まで一日3時間働いている。 キムさんは「職場に通う母親の代わりに子供を保育園に迎えに行き、母親の退勤時まで自宅で子供の面倒を見る。 高齢のためにフルタイムの仕事は就職が難しい」として「少しでも家計の足しにしたくて仕事をしている」と話した。 キムさんは時給6000ウォン(約650円)で一日に1万8000ウォンを稼いでいる。

 キムさんのように一週間の労働時間が18時間を下回る「超短時間労働者」が120万人に達していることが明らかになった。 主に臨時・日雇いの超短時間労働者は、外国為替危機、グローバル金融危機など経済が難しくなる度に大幅に増えた。

 23日に発表された統計庁の資料によれば、週当り1~17時間働く労働者の数は昨年117万7000人で歴代最高規模になった。今年に入ってからは1月に128万人に急騰し、2月は113万5000人に減少した。

 超短時間労働者は1997年には33万9000人で労働者全体の2.4%に過ぎなかった。だが、外国為替危機の余波で1998年に1年で38.6%増えて47万人になった。 以後、ゆったり増加傾向が続き、グローバル金融危機以後の2009年には再び13.3%増えて96万3000人に達し、2010年に初めて100万人を超えた。 1997年からの17年間に83万8000人が増え、現在では就業者全体の4.6%を占めている。

 昨年、超短時間労働者のうち女性は74万2000人(63%)で男性(43万5000人)より圧倒的に多い。 産業別に見れば、事業・個人・公共サービスで65万5000人(55.6%)であり半分以上を占めており、卸小売・宿泊飲食業(20.2%)も高い比率を示した。 超短時間労働者は主に保育、家事代行、学校給食、清掃業務を一日に2~3時間ずつしたり、コンビニ、レストラン、結婚式場などで週末に仕事をしていることが明らかになった。 求人・求職サイトを見れば、午前8時から10時30分まで一日に2時間30分の清掃の仕事をする人を募集していたり、午前11時40分から午後2時30分まで学校給食の配膳補助員を募集するなど“超短時間”の働き口が多数上がっている。

 このように超短時間労働者が増え、時間制の働き口(週36時間未満など)は昨年200万人を超えた。 時間制の働き口は非正規雇用のなかでも特に処遇が悪い。統計庁の資料によれば、時間制働き口は社会保険加入率が国民年金14.6%、健康保険17.8%、雇用保険19.6%で、非正規雇用の中で加入率が最も低く、平均賃金は月66万2000ウォン(約10万5千円)に過ぎない。 時間制労働者は52.3%が「非自発的」に仕事を選択し、63.4%が「今すぐ収入が必要だったため」と答えている。

 イ・ナムシン韓国非正規職労働センター所長は「超短時間の働き口は事実上失業状態も同然」とした上で、「就職が困難で生計は苦しくなる中で、女性や青年、老人を中心に処遇の悪い超短時間働き口でも止む得ず飛び込んでいる」と語った。

世宗/キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/683598.html 韓国語原文入力:2015/03/23 20:31
訳J.S(1515字)

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